地域支援事業における体力向上サービスのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200718009A
報告書区分
総括
研究課題名
地域支援事業における体力向上サービスのあり方に関する研究
課題番号
H17-長寿-一般-041
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
安村 誠司(福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 菊地 臣一(福島県立医科大学)
  • 植木 章三(東北文化学園大学医療福祉学部)
  • 柳 尚夫(大阪府茨木保健所)
  • 野村 卓生(大阪府立大学総合リハビリテーション学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
4,876,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域の資源・特性、対象者の個別性を踏まえた「運動器の機能向上」プログラムのあり方を検討することであり、また、マニュアルを作成する。また、体力向上サービスのマネジメントの開発が目的である。さらに、虚弱高齢者を対象に介護予防を目的とした開発された「太極拳を取り入れた体操」の検証である。
研究方法
4都道府県8市町村で介護予防事業に携わっている自治体の担当者にヒアリングを行った。それらの結果に基づき、「運動器の機能向上」プログラムモデル(改訂版)を作成した。介護予防(特に運動器の機能向上)に先駆的に取り組んでいる市町村の実態を把握し、それらをもとに、市町村が取り組むべき介護予防事業の中の地域支援事業における体力向上サービス(運動器の機能向上)の課題の整理をした。平成17、18年度に本年度は「太極拳を取り入れた体操」を基に、介護予防のための「太極拳ゆったり体操」を作製するとともにマニュアルとDVDを制作した。65歳以上で要支援、要介護の非該当者で、1年間に転倒経験がある者、昨年に比べ外出頻度が減少した者を対象に、体操教室を実施した。
結果と考察
平成18年度に作成した運動器の機能向上プログラムの試案の有効性、妥当性の検証し、プログラム(改訂版)を作成した。18年度作成の運動器の機能向上のマネジメント手法とそのマニュアルは、多くの自治体でも有効であった。しかし、全国の市町村が、それらを取り入れるためには、市町村が独自に第4期介護保険計画に方針変更を盛り込むことが必要であると考え、第4期介護保険事業計画における介護予防事業検討マニュアルを追補した。「太極拳ゆったり体操」は手段的自立、知的能動性を維持する可能性が示唆され、特定高齢者の身体機能・生活体力の向上に有効であると考えられた。「太極拳ゆったり体操」は短期的には、効果が得られた。
結論
「運動器の機能向上」プログラム(改訂版)は実用性が高いと考えており、自治体での施行によりさらに改善する必要がある。また、第4期介護保険事業計画における介護予防事業検討マニュアル(案)も検証する必要がある。「太極拳を取り入れた体操」は効果が得られなかった項目があるため、長期成績の検証を行うことが課題であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2008-05-24
更新日
-

文献情報

文献番号
200718009B
報告書区分
総合
研究課題名
地域支援事業における体力向上サービスのあり方に関する研究
課題番号
H17-長寿-一般-041
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
安村 誠司(福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 菊地 臣一(福島県立医科大学)
  • 植木 章三(東北文化学園大学医療福祉学部)
  • 柳 尚夫(大阪府茨木保健所)
  • 野村 卓生(大阪府立大学総合リハビリテーション学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
対象者や地域の特性に応じた運動器の機能向上プログラムの作成が目的である。また、運動器の機能向上のマネジメントの開発が目的である。さらに、高齢者が「楽しく」、「安全に」、「気軽に」、「一人でもできる」、「長期に継続できる」をキーワードとして、虚弱高齢者を対象に介護予防を目的とした「太極拳を取り入れた体操」をもとに開発された特定高齢者に対する「太極拳ゆったり体操」の検証を目的とした。
研究方法
学術論文に掲載されているプログラムを分析し、類型化し、プログラムモデル(試案)を作成し、19年度は試案の有効性、妥当性の検証として、4都道府県8市町村で自治体の担当者にヒアリングを行った。運動器の機能向上等に先駆的に取り組んでいる市町村の実態を把握し、それらをもとに、市町村が取り組むべき介護予防事業の中の地域支援事業における運動器の機能向上の課題の整理をした。「太極拳を取り入れた体操」を基に、介護予防のための「太極拳ゆったり体操」のDVDとマニュアルが作成された。65歳以上で要支援、要介護の非該当者で、1年間に転倒経験がある者、昨年に比べ外出頻度が減少した者を対象に、体操教室を実施した。
結果と考察
平成18年度に作成した運動器の機能向上プログラムの試案の有効性、妥当性を検証した結果、プログラム(改訂版)を作成した。平成18年度作成の運動器の機能向上のマネジメント手法とそのマニュアル(案)は、多くの自治体でも有効であった。しかし、全国の市町村が、それらを取り入れるためには、市町村が独自に第4期介護保険計画に方針変更を盛り込むことが必要であると考え、第4期介護保険事業計画における介護予防事業検討マニュアル(案)を作成した。「太極拳を取り入れた体操」の実施は、特定高齢者の身体機能や生活体力の向上に有効であると考えられた。また、「太極拳ゆったり体操」は特定高齢者の身体機能・生活体力の向上に有効であると考えられた。「太極拳ゆったり体操」は短期的には、効果が得られた。
結論
対象者や地域の特性に応じた高齢者の「運動器の機能向上」プログラム(改訂版)を作成した。また、第4期介護保険事業計画における介護予防事業検討マニュアル(案)を作成した。市町村が有効か介護予防事業を実施するうえで、いずれも有効であると考える。作成された「太極拳ゆったり体操」は長期的な介護予防効果を検証することが課題であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2008-06-06
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200718009C

成果

専門的・学術的観点からの成果
対象者や地域の特性に応じた「運動器の機能向上」プログラム(改訂版)を作成した。また、第4期介護保険事業計画における介護予防事業検討マニュアル(案)を作成した。市町村が有効な介護予防事業を実施するうえで、いずれも有効であると考える。さらに、作成された「太極拳ゆったり体操」は虚弱高齢者(特定高齢者)のみに対象を特化しており、今後の介護予防効果が多いに期待されるが、その効果を検証することが課題であると考えられた。
臨床的観点からの成果
作成された「運動器の機能向上」プログラム(改訂版)、および、第4期介護保険事業計画における介護予防事業検討マニュアル(案)は、いずれも市町村が有効な介護予防事業を実施するうえで有効であると考える。さらに、作成された「太極拳ゆったり体操」は虚弱高齢者(特定高齢者)のみに対象を特化しており、今後の介護予防効果が多いに期待。
ガイドライン等の開発
1.「運動器の機能向上」プログラム(改訂版)
2.第4期介護保険事業計画における介護予防事業検討マニュアル(案)
はいずれも自治体の担当者が介護予防事業を実施する上で極めて有効なプログラム・マニュアルと考える。
その他行政的観点からの成果
介護予防事業は開始されたが、自治体担当者はその実施方法等に苦慮している。本研究班で作成した.「運動器の機能向上」プログラム(改訂版)、および、第4期介護保険事業計画における介護予防事業検討マニュアル(案)は行政的観点から極めて有益な成果と考える。また、虚弱高齢者(特定高齢者)に特化した「運動器の機能向上」の体操はなかったので、「太極拳ゆったり体操」もきわめて意義深いと考える。
その他のインパクト
開発された「太極拳ゆったり体操」は虚弱高齢者(特定高齢者)に特化した体操として注目され、全国紙でも取り上げられた。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
植木章三、工藤大地、渡邉里弥、他
市販書籍に掲載された運動機能の向上をめざした介護予防事業の類型化
保健福祉学研究 , 5 , 93-129  (2007)
原著論文2
野村卓生, 菅野伸樹, 長野 聖, 他
“太極拳を取り入れた体操”の開発と介護予防効果に関する予備検証
Journal of Rehabilitation and Health Sciences , 5 , 1-6  (2006)

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-