老人施設・在宅における高齢者排泄リハビリテーションに関する施設評価基準の作成と地域モデルの開発

文献情報

文献番号
200718001A
報告書区分
総括
研究課題名
老人施設・在宅における高齢者排泄リハビリテーションに関する施設評価基準の作成と地域モデルの開発
課題番号
H17-長寿-一般-006
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
後藤 百万(名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科学)
研究分担者(所属機関)
  • 吉川 羊子(名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科学)
  • 中井 滋(藤田保健衛生大学短期大学専攻科臨床工学技術専攻)
  • 荒井 由美子(国立長寿医療センタ-研究所長寿政策科学研究部)
  • 岡村 菊夫(国立長寿医療センタ-手術・集中医療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
6,732,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
排泄管理は施設・在宅での高齢者の介護・看護を支える上でその意義がますます高まる一方、その対応は不十分な状況にある。不適切な排泄管理は離床の阻害、廃用症候群の進行、寝たきり状態への移行の要因となるが、適切で積極的な排泄管理は高齢者の心身機能保持や改善、寝たきり防止などに有効な排泄リハビリテ-ションとして介護予防の機能を担う。本研究では老人施設・在宅における排泄管理の状況を分析・評価するための施設評価基準を作成し、さらに排泄リハビリテ-ション地域モデルの開発を行う。
研究方法
1) 愛知県内72病院、老人施設および在宅介護・看護関連施設459施設における、排泄リハビリテーション施設評価基準項目の実施状況と現在実施していない場合の実現可能性の検討、2)排泄リハビリテーションに関する施設評価基準最終版の策定、3)愛知県碧南市における、地域包括支援センターを中心とした行政、開業一般医、開業泌尿器科専門医、総合病院、訪問看護センター、老人施設、介護事業所などの連携ネットワ-クによる地域モデルの開発と稼動、4)高齢者排泄リハビリテーション地域モデル稼動後の排尿管理の実態調査による地域ネットワ-クの効果の検証、を行った。
結果と考察
施設評価基準の項目は、現在の実施状況は不十分であるが、実施可能性が高く、排泄リハビリテーションのための方法論、目標提示に関しては適正な基準であると考えられた。排泄リハビリテーション施設評価基準最終版は、排泄状態の評価(アセスメント)に関する要件、排泄管理に関する知識・技術の確立に関する要件、排泄管理の実践に関する要件、排泄環境に関する要件の4領域からなり、それぞれ5項目、3項目、5項目、11項目の計24項目を含むものとした。碧南市における排泄リハビリテ-ションを目的とした地域ネットワ-クモデル稼動前後の排泄管理改善効果の検証では、老人施設においては、おむつ使用割合に大きな変化はみられなかったが、予防的なおむつ使用が減少し、施設のおむつはずしに対する意識が向上するとともに、おむつはずしに成功した例が実際に認められた。在宅介護・看護の現場については、おむつ使用率が、稼動前の98.1%から稼動後の74%へと顕著に減少した。
結論
排泄リハビリテーション施設評価基準の全国的活用と地域モデルの提示により、全国的な排泄管理の向上、高齢者・介護者の生活の質向上、介護予防への貢献が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

文献情報

文献番号
200718001B
報告書区分
総合
研究課題名
老人施設・在宅における高齢者排泄リハビリテーションに関する施設評価基準の作成と地域モデルの開発
課題番号
H17-長寿-一般-006
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
後藤 百万(名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科学)
研究分担者(所属機関)
  • 吉川 羊子(名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科学)
  • 中井 滋(藤田保健衛生大学短期大学専攻科臨床工学技術専攻)
  • 荒井 由美子(国立長寿医療センタ-研究所政策科学研究部)
  • 岡村 菊夫(国立長寿医療センタ-手術・集中医療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
積極的な排泄管理を介護予防につながる排泄リハビリテーションと位置づけ、高齢者の排泄管理向上により生活の質向上・介護予防に寄与するための方策の開発を目的とした。病院・老人施設・在宅など介護・看護の現場での排泄管理に関わる状況を定性的・定量的に評価するための評価基準の作成、高齢者の介護・看護・医療に関わる施設、団体、行政が連携して適切な排泄リハビリテーションを行うための地域モデルの開発を行った。
研究方法
排泄リハビリテーション施設評価基準の作成では、愛知県内の病院、老人施設、在宅関連施設911施設で実態調査を行い、排泄管理の実態把握、解析と問題点の抽出、適切な排泄リハビリテ-ションに必要な必要条件を構築し、施設評価基準案を作成した。施設評価基準案により全国の病院、老人施設、在宅関連施設11,711施設の調査による試験的評価を行い、現状の問題点、今後の検討課題を探索した。愛知県内病院、老人施設、および在宅介護・看護関連施設531施設について、評価基準案の実施状況と非実施の場合の実施実現性について検討し施設評価基準最終版を策定した。
排泄リハビリテーション地域モデルの開発は、人口約8万人の愛知県碧南市で行い、地域包括支援センターを中心に行政・開業一般医・開業泌尿器科専門医・総合病院・訪問看護センター・老人施設・介護事業所などの連携ネットワ-クの試作と稼動によるモデル開発を行った。モデル稼動前後の排泄管理実態調査を行い効果を検証した。
結果と考察
排泄リハビリテーション施設評価基準最終版は、排泄状態の評価に関する要件、排泄管理に関する知識・技術の確立に関する要件、排泄管理の実践に関する要件、排泄環境に関する要件の4領域からなり、それぞれ5項目、3項目、5項目、11項目の計24項目からなる。碧南市における排泄リハビリテ-ション地域モデル稼動前後で排泄管理の改善効果がみられた。
結論
本長寿科学総合研究の結果により、病院、老人施設、在宅介護・看護関連施設における排泄リハビリテーションに関して、排泄管理にかかわる状況を定性的・定量的に評価し、さらに適切な排泄管理のための具体的指針、行動目標、到達目標を提示する排泄リハビリテーション施設評価基準を策定した。また、排泄リハビリテーションの地域モデルの稼動により排泄管理向上の得られる可能性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200718001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
病院、老人施設、在宅などの高齢者介護・看護に関わる施設における高齢者排泄リハビリテ-ション状況を定性的、定量的に評価できる基準を、全国の施設調査に基づいて作成した。
臨床的観点からの成果
排泄リハビリテ-ション施設評価基準は、単に評価の目的のみならず、適切な排泄リハビリテ-ションの方法論や目標を提示することができる。排泄リハビリテーション施設評価基準の全国的活用と地域モデルの提示により、全国的な排泄管理の向上、高齢者・介護者の生活の質向上、介護予防への貢献が期待できる。
ガイドライン等の開発
排泄リハビリテ-ション施設評価基準は、排泄状態の評価(アセスメント)に関する要件、排泄管理に関する知識・技術の確立に関する要件、排泄管理の実践に関する要件、排泄環境に関する要件の4領域からなり、それぞれ5項目、3項目、5項目、11項目の計24項目を含むもので、適切な排泄管理の方策を示す。
その他行政的観点からの成果
今回の排泄リハビリテ-ション地域モデルは、行政(碧南市地域包括支援センタ-)を中心に、病院、開業医、老人施設、在宅介護・関連施設のネットワ-クを構築したが、全国の地域行政への応用が可能であり、さらに排泄以外の介護・看護領域にも応用できる。
その他のインパクト
現時点では特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-