有痛性悪性骨腫瘍に対する経皮的骨形成術についての第II相臨床試験に関する研究

文献情報

文献番号
200717028A
報告書区分
総括
研究課題名
有痛性悪性骨腫瘍に対する経皮的骨形成術についての第II相臨床試験に関する研究
課題番号
H19-臨床試験-019
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
松井 修(金沢大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 本田 浩(九州大学大学院医学研究院)
  • 櫛橋 民生(昭和大学横浜市北部病院)
  • 小林 信雄(聖路加国際病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床試験推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
有痛性骨腫瘍に対する経皮的骨形成術についての第Ⅱ相臨床試験を「臨床的な使用確認試験」として行うことにより、その臨床的有効性と安全性を評価する。
研究方法
がん治療におけるIVRの臨床試験組織であるJIVROSGにて臨床試験を行う。
【エンドポイント】Primary endpoint:臨床的有効性の評価。Secondary endpoint:有害事象の発現頻度と程度の評価。【症例選択規準(抜粋)】①悪性腫瘍の転移や原発性腫瘍による胸椎、腰椎、あるいは骨盤骨の病変。②①による疼痛が強く日常生活の行動に制限が生じている。③主要臓器の機能が保持されている。【治療】X線またはCTガイド下に経皮的に骨セメント注入針を病巣部へ刺入し、透視下に骨セメントを注入する。【評価方法】有害事象についてはCTCAE v3.0を用い、有効性については薬物療法の影響を排除したVAS値の変化により評価する。【予定登録数と研究期間】予定登録数:33例。登録期間:17ヶ月。追跡期間:登録終了後3ヶ月。総研究期間:20ヶ月。平成20年4月より症例登録開始を予定。
結果と考察
本年度は、①臨床試験プロトコールの検討と確定、②データマネージメントを専門的に行う外部組織に委託し運用を開始、③より集計に適したフォームのCRFを整備、④各施設IRBの審査・承認作業を行った。
低侵襲治療とされるIVRはその有用性に大きな期待が持たれているが、これまで臨床試験による評価はほとんどなく、本研究の多施設共同臨床試験による緩和IVRの評価は先進的で意義の大きなものである。従来、医師が自主的に行う多施設共同臨床試験はデータマネージメントの維持に大きな問題を有していたが、今回、この業務に精通した外部専門組織にアウトソーシングする方法に試験基盤を整備したことは、この種の臨床試験の質の向上、データの信頼性の向上、公的研究費の有効利用の上で、極めて大きな進歩であり、今後のIVR関係の臨床試験のあり方に大きく影響を及ぼすものと考えられる。
結論
がん患者のQOL向上をめざしたIVR技術の開発として、JIVROSGにより「有痛性悪性骨腫瘍に対する経皮的骨形成術についての第Ⅱ相臨床試験」を「臨床的な使用確認試験」として行う。また、これに伴い、データマネージメントについて、アウトソーシングするという新たな手法を導入した。

公開日・更新日

公開日
2008-07-03
更新日
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