胸部悪性腫瘍のラジオ波焼灼療法に関する研究

文献情報

• 文献番号: 200717025A
• 報告書区分: 総括
• 研究課題名: 胸部悪性腫瘍のラジオ波焼灼療法に関する研究
• 課題番号: H19-臨床試験-014
• 研究年度: 平成19(2007)年度
• 研究代表者(所属機関): 金澤 右(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)

研究分担者(所属機関)

• 郷原英夫(岡山大学医学部歯学部附属病院放射線科)
• 松岡利幸(大阪市立大学大学院医学研究科)
• 山下康行(熊本大学大学院医学薬学研究部放射線診断分野)
• 西村恒彦(京都府立医科大学大学院医学研究科放射線診断治療学)
• 松本真一(兵庫県立がんセンター放射線診断科)
• 井上　武(国立病院機構四国がんセンター放射線診断科)
• 清水　匡(北海道大学医学部保健学科放射線技術学講座)

• 研究区分: 厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究（臨床試験推進研究）
• 研究開始年度: 平成19(2007)年度
• 研究終了予定年度: 平成21(2009)年度
• 研究費: 10,000,000円
• 研究者交替、所属機関変更: -

研究報告書（概要版）

研究目的

　Interventional radiology(以下IVR)は画像誘導下に治療を行うものであり、低侵襲性のがん治療における高い有効性が期待されている。一方近年肺癌は本邦の悪性新生物による死因の中で、男性、全体で第一位であり、深刻な健康問題である。
本研究により肺悪性腫瘍に対する肺ラジオ波焼灼術（RFA）の有効性および安全性を科学的に評価し、低侵襲治療としてのRFAを標準的治療として導入するためのエビデンスを得るのが目的である。

研究方法

　がん治療におけるＩＶＲ臨床試験組織JIVROSG(Japan Interventional Radiology in Oncology Study Group)により臨床試験を行った。構成は、参加研究組織52施設（日本ＩＶＲ学会認定専門医所属）、グループ代表者１名（国立がんセンター中央病院 荒井保明）、プロトコール委員１１名、効果・安全性評価委員会４名（Medical Oncologist ２名、日本ＩＶＲ学会認定指導医２名）、統計顧問１名（生物統計学専門家）である。症例登録は大学病院医療情報ネットワーク（UMIN）内のホームページ (http://jivrosg.umin.jp/)の研究者限定サイトからのオンライン登録とした。また、臨床試験の実施方法はJCOG(Japan Clinical Oncology Group)における臨床試験を雛形とした。本年度はプロトコールの検討を行った。

結果と考察

　本研究における臨床試験概要は以下の如くとなった。
治療対象を以下のいずれかとした。：（a）臨床病期IA期非小細胞肺癌（b）肺癌根治的切除後の肺内再発例、あるいは放射線化学療法によるCR後の肺内再発した症例。（c）経過および画像所見から肺転移と考えられる病変が出現した症例。
Primary endpointを有効性の評価とし、FDG-PETの集積減少で評価、secondary endpointを安全性の評価とし、CTCAE ver3.0を用いて評価する。
参加施設数：27。予定登録数：33例。
今回確定した肺悪性腫瘍に対するRFAのプロトコールは、３つの症例選択基準を取り入れたことにより、より現実的な治療適応に即しているといえる。治療評価方法も内外の報告を見ても確立しているとは言い難く、本研究により明らかにすることが可能と思われる。本年は組織構築、プロトコールの改訂、確定のみであるが、症例登録は平成20年4月を予定している。

結論

　胸部悪性腫瘍に対するラジオ波焼灼療法の有効性と安全性を検証し、標準的治療法へ向けてのエビデンスを得る方法を確立した。

公開日・更新日

• 公開日: 2011-05-27
• 更新日: -