高悪性度骨軟部腫瘍に対するカフェイン併用化学療法の臨床使用確認試験

文献情報

文献番号

200717021A

報告書区分

総括

研究課題名

高悪性度骨軟部腫瘍に対するカフェイン併用化学療法の臨床使用確認試験

課題番号

H19-臨床試験-024

研究年度

平成19(2007)年度

研究代表者(所属機関)

土屋　弘行(金沢大学大学院医学系研究科機能再建学)

研究分担者(所属機関)

白井　寿治(金沢大学大学院医学系研究科機能再建学 )
山内　健輔(金沢大学医学部付属病院整形外科)
全　陽(金沢大学医学部付属病院病理部)
田地野　崇宏(福島県立医科大学医学部附属病院整形外科)
家口　尚(大阪市立大学医学部付属病院整形外科)
帖佐　悦男(宮崎大学医学部附属病院整形外科)
坂山　憲史(愛媛大学医学部附属病院整形外科)
折笠　秀樹(富山大学大学院医学薬学研究部バイオ統計学・臨床疫学)
赤澤　宏平(新潟大学医歯学総合病院医療情報部)

研究区分

厚生労働科学研究費補助金厚生科学基盤研究分野医療技術実用化総合研究（臨床試験推進研究）

研究開始年度

平成19(2007)年度

研究終了予定年度

平成21(2009)年度

研究費

10,000,000円

研究者交替、所属機関変更

研究報告書（概要版）

研究目的

高悪性度骨軟部腫瘍に対するカフェイン併用化学療法の有効性と安全性を多施設共同研究により確認し、本治療の先進医療としての存続と治療の標準化を目指すことを目的とする。

研究方法

【研究形式】多施設共同で行う第Ⅱ相臨床試験であり、Primary endpointは術前化学療法の奏効割合、Secondary endpointは2年無増悪生存割合、無病悪生存期間、全生存期間、有害事象発生割合である。
【研究対象】生検により病理学的診断された悪性骨腫瘍（骨肉腫、悪性線維性組織球腫）と悪性軟部腫瘍（非円形細胞軟部肉腫：悪性線維性組織球腫、線維肉腫、平滑筋肉腫、滑膜肉腫、脂肪肉腫、多形横紋筋肉腫、未分化肉腫）で、組織学的悪性度がFNCLCC（French Federation of Cancer Center） systemのGrade 2-3かつPerformance Status が（ECOG）が0-1を満たす症例。
【治療方法】CDDPとADMにカフェインを併用した化学療法を術前3コース施行し画像評価により効果判定する。その効果に応じてIFMとVP16にカフェインを併用するレジメに変更するなどして計5コースの化学療法の後に手術を施行し、さらに術後は組織学的効果も考慮してレジメを決定し術後化学療法を6コース施行する。
【予定登録症例数】骨腫瘍50例、軟部腫瘍50例とする。

結果と考察

研究代表機関である金沢大学医学付属病院整形外科では、本治療が平成15年12月に高度先進医療に認可されてから平成18年度末までに、悪性骨腫瘍23例、悪性軟部腫瘍19例を治療しており、すでに本研究に登録しているが、さらに平成19年度には新たに悪性骨腫瘍6例（全例骨肉腫）、軟部腫瘍2例（平滑筋肉腫：1例、横紋筋肉腫：1例）を治療しており、それらを登録することとした。それらの結果は、画像有効率：骨腫瘍6/6（100％）、軟部腫瘍2/2(100%)、組織学的有効率：骨腫瘍4/6（67％）、軟部腫瘍1/1(100%:横紋筋肉腫の1例は解析中)で、有害事象は、Grade４の有害事象は1例もみとめなかった。さらに、第一回実行委員会終了後に、分担研究グループより骨腫瘍1例、軟部腫瘍2例の登録が行われた。
今後の年次計画としては、平成20年度は症例集積、モニタリング、中間解析、平成21年度は、登録完遂、結果解析を予定している。

結論

本研究は、2008年3月末現在試験実施中であり、まだ結論は得られていない。