文献情報
文献番号
200717013A
報告書区分
総括
研究課題名
シロリムスによるリンパ脈管筋腫症の第Ⅲ相国際共同臨床試験:MILES trial
課題番号
H19-臨床試験-一般-008
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
中田 光(新潟大学医歯学総合病院生命科学医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 井上 義一(近畿中央胸部疾患センター・呼吸器不全研究部)
- 吉澤 弘久(新潟大学医歯学総合病院生命科学医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床試験推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
71,833,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
リンパ脈管筋腫症(Lymphangioleiomyomatosis: LAM)は若年女性が罹患し進行性予後不良
の難治性稀少疾患である(15年生存率68%)。現時点で有効な治療法は無い。本邦で約173
例が報告されている。最近、米国で免疫抑制剤シロリムスのⅠ/Ⅱ相試験が行われ、呼吸機能
が改善することが確認された。07年より国際共同臨床試験がまっており、新潟大学と近畿中
中央胸部疾患センター分担施設として参加している。本研究では、本邦の患者へのシロリム
スの有効性と安全性を検証し、QOLの向上を計る。
の難治性稀少疾患である(15年生存率68%)。現時点で有効な治療法は無い。本邦で約173
例が報告されている。最近、米国で免疫抑制剤シロリムスのⅠ/Ⅱ相試験が行われ、呼吸機能
が改善することが確認された。07年より国際共同臨床試験がまっており、新潟大学と近畿中
中央胸部疾患センター分担施設として参加している。本研究では、本邦の患者へのシロリム
スの有効性と安全性を検証し、QOLの向上を計る。
研究方法
我が国の割り当て目標症例数は、30例である。臨床試験は二重盲験法を用いて行われ、
適格患者は登録後、匿名番号化され、さらに実薬群と偽薬群に無作為に割り付けられ、本部より薬が両施設へ送られてくる。患者は当初2mgの薬剤を服用するが、定期的に採血され薬剤血中濃度を測定し、用量を調節する。検査データと有害事象はweb上で本部に登録する。患者の血液は定期的に本部に発送する。1年目には3ヶ月毎、2年目には6ヶ月毎に肺機能をチェックし、12ヶ月後の一秒量の改善を主要評価項目とする。各アーム患者25例1年目に達したところで、中間解析し、実薬と偽薬群の肺一秒量改善の有意差 P 値が0.0054以下であれば、盲検を解除、偽薬群を実薬群に交差編入する。
適格患者は登録後、匿名番号化され、さらに実薬群と偽薬群に無作為に割り付けられ、本部より薬が両施設へ送られてくる。患者は当初2mgの薬剤を服用するが、定期的に採血され薬剤血中濃度を測定し、用量を調節する。検査データと有害事象はweb上で本部に登録する。患者の血液は定期的に本部に発送する。1年目には3ヶ月毎、2年目には6ヶ月毎に肺機能をチェックし、12ヶ月後の一秒量の改善を主要評価項目とする。各アーム患者25例1年目に達したところで、中間解析し、実薬と偽薬群の肺一秒量改善の有意差 P 値が0.0054以下であれば、盲検を解除、偽薬群を実薬群に交差編入する。
結果と考察
本試験は米国シンシナテイ大学に本部を置くRare Lung Disease Clinical Research Consortium
が実施する医師主導型治験であるが、本邦では
シロリムスが認可されていないため、新潟大学と近畿中央胸部疾患センターではそれぞれの
IRBに自主臨床試験として申請し、承認された。スタッフの教育、統一プロトコールの邦訳、修正、site initiation visitを経て本部と2月に契約し、患者リクルート開始、4月中旬試験開始予定である。
が実施する医師主導型治験であるが、本邦では
シロリムスが認可されていないため、新潟大学と近畿中央胸部疾患センターではそれぞれの
IRBに自主臨床試験として申請し、承認された。スタッフの教育、統一プロトコールの邦訳、修正、site initiation visitを経て本部と2月に契約し、患者リクルート開始、4月中旬試験開始予定である。
結論
企業による国際共同治験は、すでに一般的であるが、医師の国際共同研究
ネットワークによる国際共同臨床試験は日米ともに経験がなく、実施にあたっては、さまざまな
問題をクリアしなければならなかった。その過程は、日米加それぞれの貴重な
経験となり、今後このタイプの国際共同臨床試験に生かしていけると思う。
ネットワークによる国際共同臨床試験は日米ともに経験がなく、実施にあたっては、さまざまな
問題をクリアしなければならなかった。その過程は、日米加それぞれの貴重な
経験となり、今後このタイプの国際共同臨床試験に生かしていけると思う。
公開日・更新日
公開日
2008-04-07
更新日
-