造血幹細胞移植を受けたライソゾーム病患者に対する酵素補充療法の適応と投与方法の確立に関する臨床研究計画の作成

文献情報

文献番号
200717009A
報告書区分
総括
研究課題名
造血幹細胞移植を受けたライソゾーム病患者に対する酵素補充療法の適応と投与方法の確立に関する臨床研究計画の作成
課題番号
H19-臨床試験-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
奥山 虎之(国立成育医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 俊一(東海大学 医学部)
  • 田中 あけみ(大阪市立大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床試験推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ムコ多糖症Ⅱ型酵素製剤イデュロサルファーゼが昨年10月に承認された。本研究では、酵素補充療法の全国的な普及に先駆けて、既存治療のひとつである造血幹細胞移植の再評価を行うとともに、造血幹細胞移植との比較検討と併用療法の可能性について検討する。
研究方法
わが国において1985年?2005年に造血幹細胞移植が施行されたムコ多糖症Ⅱ型の患者44例について、患者背景、移植方法、移植結果などについてレトロスペクティブな調査を行った。また、イデュロサルファーゼは、わが国での臨床試験を実施せずに海外治験データに基づく迅速審査で承認された。治験未実施のデメリットを克服するために、イデュロサルファーゼの投与試験を、多施設共同で行った。
結果と考察
造血幹細胞移植を受けたムコ多糖症II型患者44例のうち、34例(77.3%)では初回移植でドナー由来の生着が得られ、8例(18.2%)では拒絶された。生着に対して有利に有意の相関を示していた因子としては、移植細胞源としての骨髄(臍帯血に対して)、同胞ドナー、HLA適合ドナーなどであった。日本人軽症ハンター症候群患者10名に対して、未承認薬であるイデュロサルファーゼの投与試験を行った。肝臓サイズの正常化と尿中のグリコサミノグリカンの著明な低下を全例で認めた。また、いずれの症例でも、投与を断念するような重篤な副作用は認めず、日本人症例に対しても安全に投与できる薬剤であることが確認された。
結論
ハンター症候群の治療法として、造血幹細胞移植と酵素補充療法の適切な組み合わせが必要である可能性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2008-03-19
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200717009C

成果

専門的・学術的観点からの成果
ムコ多糖症II型は、ライソゾーム病の中で、最も頻度の高い疾患のひとつである。これまで、本症はリスクの高い造血幹細胞移植以外に有効な治療手段に乏しい疾患であったが、酵素補充療法製剤の開発により、治療への期待が高まっている。本研究は、造血幹細胞移植の再評価と日本人患者を対象としたはじめての本格的な投与試験の実施したものである。
臨床的観点からの成果
本研究により、ムコ多糖症II型酵素製剤イデュロサルファーゼは、日本人患者においても欧米と同様の効果得られること、および安全性についても大きな問題のないことが確認された。
ガイドライン等の開発
本研究は、長期フォローアップという形で継続する。その結果は、数年後には関連学会を通じて、治療適応ガイドラインの形でまとめられる予定である。
その他行政的観点からの成果
一連のライソゾーム病酵素製剤の国内臨床開発においては、日本での新たな治験を行わず、海外治験データの審査による早期承認をめざすスキームが定着した。しかし、治験未実施のデメリットもあり、本研究により実施された多施設共同の日本人患者を対象とした投与試験は、それを補完すり意義がある。
その他のインパクト
ムコ多糖症II型酵素製剤の承認に際して、多くのマスコミ(NHK,FM東京、ラジオ日経など)で、主任研究者自身が出演した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
5件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-