重症川崎病患者に対するステロイド初期投与の効果を検討する前方視的無作為化比較試験の計画に関する研究

文献情報

文献番号
200717007A
報告書区分
総括
研究課題名
重症川崎病患者に対するステロイド初期投与の効果を検討する前方視的無作為化比較試験の計画に関する研究
課題番号
H19-臨床試験-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
佐地 勉(東邦大学医療センター大森病院小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 森川 昭廣(群馬大学大学院医学系研究科小児生体防御学)
  • 小川 俊一(日本医科大学付属病院小児科)
  • 竹内 一夫(埼玉大学教育学部)
  • 薗部 友良(日本赤十字医療センター小児保健科)
  • 三浦 大(東京都立清瀬小児病院循環器科)
  • 井上 佳也(群馬大学大学院医学系研究科小児生体防御学)
  • 小林 徹(熊県立小児医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床試験推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
重症川崎病患者に対する治療戦略を確立する
研究方法
リスクスコアを用いて高リスクと判断された川崎病患者で、
Ⅰ:IVIG単独群 
Ⅱ:IVIG+PSL併用群
に分け、効果を検証する方法、リスクなどを検討した。
結果と考察
今回の研究の結果、IVIG+PSL療法は、①経過中の冠動脈拡大合併頻度を減少させる②冠動脈後遺症合併頻度が少ない③治療抵抗例を減少させることにより、IVIG投与量が減る④早期に解熱し、炎症反応も早期に改善するといった効果がある可能性をpreliminaryに確認できた。
結論
今回計画した無作為化比較試験で同様の結果が得られると
① 川崎病患者の新たな治療法が確立される
② 川崎病による冠動脈後遺症の発生患者が減少する
③ 治療抵抗例が減少することによりIVIG使用量を少なくし、急性期川崎病治療に必要となる医療費を減らすことが出来る
④ 冠動脈後遺症発生患者が減少することより、川崎病患者の遠隔期にかかる医療費を減らすことが出来る
⑤ 川崎病患者と家族のQOLが向上し、社会に対する生産的な効果が期待できる
といった国民、行政、社会に対する貢献が得られることが予想される。

公開日・更新日

公開日
2008-06-12
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200717007C

成果

専門的・学術的観点からの成果
川崎病の重症度スコアーを層別化し、その重症例に対して免疫グロブリン+プレドニン初期投与の効果を判断するための比較試験である。これにより免疫グロブリンのみによる治療に反応しない"不応例"や、反応例の一部に発症する重篤な合併症である冠動脈瘤の発症率が低下する可能性が高いと考えられる。欧米でのトライアルにおいては既にプレドニンの有効性も証明し得た報告が多く極めて有意義な研究である。
臨床的観点からの成果
特になし。
ガイドライン等の開発
特になし。
その他行政的観点からの成果
特になし。
その他のインパクト
特になし。

発表件数

原著論文(和文)
8件
原著論文(英文等)
13件
その他論文(和文)
14件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
34件
学会発表(国際学会等)
2件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-