文献情報
文献番号
200716010A
報告書区分
総括
研究課題名
ＳＰＥＣＴ検査の精度向上と施設間誤差のない標準的画像診断法の確立
課題番号
H19-トランス-一般-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 秀博(国立循環器病センター研究所 先進医工学センター 放射線医学部)
研究分担者(所属機関)
- 野口輝夫(国立循環器病センター・心臓血管内科)
- 渡部浩司(国立循環器病センター研究所放射線医学部 )
- 宮本恵宏(国立循環器病センター・動脈硬化代謝内科)
- 石田良雄(国立循環器病センター・放射線診療部)
- 横田千晶(国立循環器病センター・内科脳血管部門)
- 森脇博(国立循環器病センター・内科脳血管部門)
- 中川原譲二(医療法人 医仁会 中村記念病院 脳神経外科)
- 丸野廣大(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 放射線科)
- 橋川一雄(大阪南医療センター 臨床研究部循環器疾患研究室 神経内科学)
- 鈴木倫保(山口大学医学部高次統御系脳神経病態学)
- 松田博史(埼玉医科大学 核医学科)
- 山田章吾(東北大学病院・放射線腫瘍学)
- 中島孝(国立病院機構新潟病院・神経内科)
- 銭谷勉(奈良先端科学技術大学院大学・医用画像工学)
- 畑澤順(大阪大学医学部トレーサ)
- 福島和人(国立循環器病センター放射線診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究（基礎研究成果の臨床応用推進研究）
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
80,000,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書（概要版）
研究目的
既存のSPECT装置を使った診断において、その画像精度の大幅な向上を実現し、PETに匹敵する定量評価診断法の確立を目指す。特に、施設間誤差をなくする一貫した撮像・解析体系を構築する。この妥当性と動脈硬化の進行を評価する指標としての意義を検証する。
研究方法
申請者らがすでに開発したSPECT定量解析理論とプログラムパッケージ（QSPECT）に基づき、これが現在一線の臨床機関で利用されている機種のデータを入力し解析するための環境を整備する。各施設におけるクオリティコントロール（QC）や種々の補正法の標準化を図る手順により、画像撮像から画像解析までを統一化された手順で実施する体系を構築する。組織血流量や血管反応性、さらに種々の神経受容体の機能画像を定量評価を行うために、トレーサの動態を解析するプログラムの整備を行う。動脈硬化の危険因子に基づき心筋血流量および血管反応性が低下することがPETで観察されてきたが、これを定量SPECTでも観察できることを検証する。
結果と考察
QSPECTパッケージにて得た画像をもとに均一補正データの調整を行い、かつ設定を確認した後には、すべての施設において円筒プールファントムの画像はほぼ均一であり、ほぼ同程度（±9%）の定量値（Bq/mL）を提示することが確認できた。DTARG理論は123I-iodoamphetamineの2回投与法に適用され、安静時および血管拡張時の局所脳血流量の定量評価がなされた。PETの検査と一致し、異なる日に計測した結果全脳平均の脳血流量値も安静時および血管拡張時で10%の範囲で一致した。心筋組織の局所血流量計測には201Tlが利用でき、まずイヌを用いたダイナミックSPECT計測において２コンパートメントモデルがよく適用できること、家畜豚を対象とした研究によって一回の検査で安静時および負荷後の組織血流量と血管び反応性が評価できること、さらにラットにおいても覚醒下にて安定した状態で安静時局所心筋血流量と血管反応性が計測でき、血管拡張薬投与量に依存して上昇していること、心不全病態で低下していることが確認された。
結論
これらの結果により、本定量SPECT画像再構成パッケージは実際に臨床装置で得た画像に対応可能であり、応用研究が可能でることが確認できた。脳梗塞・心筋梗塞の予測と予防に貢献するような動脈硬化の新しい診断基準としての意義が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2008-06-27
更新日
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