蛋白コンフォメーションのインビボ画像診断

文献情報

文献番号
200716003A
報告書区分
総括
研究課題名
蛋白コンフォメーションのインビボ画像診断
課題番号
H17-トランス-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 幸司(東北大学 先進医工学研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 谷内一彦(東北大学 医学系研究科)
  • 荒井啓行(東北大学 医学系研究科)
  • 堂浦克美(東北大学 医学系研究科)
  • 岡村信行(東北大学 医学系研究科)
  • 古本祥三(東北大学 先進医工学研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(基礎研究成果の臨床応用推進研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
50,479,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成19年度(3年計画の3年目)の研究計画は、1)主任研究者らによって開発されたアルツハイマー病の病理象、すなわちアミロイドβ蛋白を認識するPETプローブ 、[11C]BF-227のヒトにおける探索的臨床研究を継続すること、2)昨年度までより臨床有用性の高い[18F]標識PETプローブを開発するための F化化合物の最適化を行ってきたが、最終年度はいよいよ臨床へ進める標識プローブを決定し、毒性試験、倫理委員会申請等を経て探索的臨床研究を実施することである。
研究方法
 1)[11C]BF-227のヒトにおける探索的臨床研究
 54名のボランティアに参加いただき、探索的臨床研究を実施した。
 2)[18F]FACTのの前臨床および探索的臨床研究
 昨年度までに約900化合物をスクリーニングし、その中から [18F]FACTを有力候補として選び出し、各種薬理試験、安全性評価を実施し、併せて専用標識合成装置ユニットを開発した。以上を踏まえて [18F]FACTの探索的臨床研究実施課題を、東北大医学部医学部倫理委員会等に申請し、承認された。これを受け平成20年3月13日、健常高齢者1名、アルツハイマー病患者様1名の[18F]FACT-PET画像を撮影した。
結果と考察
 1)[11C]BF-227のヒトにおける探索的臨床研究
 [11C]BF-227はアルツハイマー病診断用プローブとして有用性の高いことが確認された。軽度認知障害(Mild cognitive impairment; MCI)の症例では健常高齢者と同様の集積レベルを示す症例、アルツハイマー病患者と同様に大脳皮質領域で高集積を示す症例、その中間の症例などが混在していた。MCIのなかで経過観察中にアルツハイマー病へ進行した例において、初回検査時に [11C]BF-227の集積がすでに上昇していることを確認した。
 2)[18F]FACTのの前臨床および探索的臨床研究
 [18F]FACT投与10-30分後のSUVR画像においてはアルツハイマー病患者では側頭部、頭頂部、楔前部を中心に高集積が観察され、[18F]FACTとアミロイドとの結合が示唆された。
結論
 [11C]BF-227はアルツハイマー病診断用PETプローブとして極めて有用性が高いことを確認した。また18F標識プローブである[18F]FACTにおいてもアミロイドを検出できることが示唆される臨床データが得られた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-08
更新日
-

文献情報

文献番号
200716003B
報告書区分
総合
研究課題名
蛋白コンフォメーションのインビボ画像診断
課題番号
H17-トランス-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 幸司(東北大学 先進医工学研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 谷内一彦(東北大学医学系研究科)
  • 荒井啓行(東北大学医学系研究科)
  • 堂浦克美(東北大学医学系研究科)
  • 岡村信行(東北大学医学系研究科)
  • 古本祥三(東北大学 先進医工学研究機構 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(基礎研究成果の臨床応用推進研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究課題の具体的な研究目的としては、まず第1に主任研究者らによって開発されたアミロイドβ蛋白を認識するプローブ[11C]BF- 227のアルツハイマー病患者における探索的臨床研究を実施すること、次に同じ特性を有するが[11C]標識体に比較して半減期が5.5倍長いことから臨床有用性の高い[18F]標識プローブを開発することである。
研究方法
1)[11C]BF-227の探索的臨床研究
 平成20年3月末までに54名のボランティアに参加いただき[11C]BF-227の探索的臨床研究を実施した。
2) [18F]標識プローブの開発
 約900化合物をスクリーニングし、インビトロにおけるプローブ候補化合物のアミロイドβ蛋白に対する親和性、動物実験における脳移行性および脳からのウオッシュ アウト、脳内にAβが蓄積するTgマウスを用いた検討等から[18F]FACTをヒト探索的臨床研究に進めるプローブとして選び出した。その後各種毒性試験、標識体の安全性試験等を経て、平成20年1月21日、同プローブを用いた探索的臨床研究を実施することが東北大学倫理委員会によって承認された。これを受け平成20年3月13日、健常高齢者1名、AD患者様1名の[18F]FACT-PET画像を撮影した。
結果と考察
1)[11C]BF-227の探索的臨床研究
 [11C]BF-227はアルツハイマー病診断用プローブとして極めて有用性の高いことが確認された。 MCI(軽度認知障害)の症例では健常高齢者と同様の集積レベルを示す症例と、AD患者と同様に大脳皮質領域で高集積を示す症例、その中間の症例が混在していた。MCIのなかで経過観察中にADへ進行した例において、初回検査時に [11C]BF-227の集積がすでに上昇していることを確認した。
2) [18F]標識プローブの開発
 [18F]FACTの脳集積像はアルツハイマー病患者脳病理像(アミロイドβ蛋白蓄積)の空間的分布に一致することが示唆された。今後例数を追加して検証する予定。
結論
 [11C]BF-227はアルツハイマー病診断用PETプローブとして有用性の高いことが確認された。  [18F]FACTはアルツハイマー病患者における脳アミロイドβ蛋白を検出できる可能性が示唆される臨床データが得られた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-07
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200716003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
アルツハイマー病(AD)の特徴的病理像はアミロイドβ蛋白の蓄積であるが、同病理像は最初の臨床症状が発現する数十年前から蓄積を開始することが知られている。この病理像を生体で画像化することができればADの超早期ないしは発症前診断が可能となることは容易に推測できる。主任研究者らによって開発されたAD診断用PETプローブ[11C]BF-227の探索的臨床研究を実施した結果、同プローブの集積像はAD患者脳における病理像の空間的分布と一致した。
臨床的観点からの成果
主任研究者らによって開発されたAD診断用PETプローブ[11C]BF-227の正常健常者とAD患者間の鑑別診断能力は、極めて優れていることが示唆された。また、MCI(経度認知障害)患者では将来ADに進行するであろう患者を予測することができる可能性が示唆された。併せて、半減期が長いことから臨床有用性が高い[18F]標識プローブ[18F]FACTの開発に成功し探索的臨床試験を実施中。
ガイドライン等の開発
なし。
その他行政的観点からの成果
数年以内にワクチン、セクレターゼ阻害剤類等のAD根本治療薬が登場することが確実視されている。主任研究者らによって開発されたプローブを用いた早期ないしは発症前診断法と根本治療薬とを組み合わせることにより、診断時点で発症前でありさえすればADに陥らせない時代を招来させることができる。 結果として国民の医療・福祉に対する貢献は多大なものになるであろう。
その他のインパクト
2006年9月21日NHK夜6時以降全国ニュースで研究が紹介された。2006年9月16日毎日新聞朝刊、同10月17日日本経済新聞夕刊、2007年9月8日週刊ダイヤモンド、同10月13日週刊ダイヤモンド において研究が紹介された。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
19件
その他論文(和文)
35件
その他論文(英文等)
5件
学会発表(国内学会)
40件
学会発表(国際学会等)
21件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計7件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件
今後普及・啓発活動を実施する予定。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Okamura N, Furumoto S, Arai H et al.
Imaging amyloid pathology in the living brain
Curr Med Imaging Rev , 4 , 56-62  (2008)
原著論文2
Kudo Y, Okamura N, Furumoto S et al.
2-(2-[2-Dimethylamino- thiazol -5-yl ] ethenyl) -6-(2- [fluoro]ethoxy) benzoxazole: A novel PET agent for in vivo detection of dense amyloid plaques in Alzheimer’s disease patients
J Nucl Med , 48 , 553-561  (2007)
原著論文3
Furumoto S, Okamura N, Iwata R et al.
Recent advances in the development of amyloid imaging agents
Current Topics in Medicinal Chemistry. , 7 , 1773-1789  (2007)
原著論文4
Okamura N, Furumoto S, Funaki Y et al.
Binding and safety profile of novel benzoxazole derivative for in vivo imaging of amyloid deposits in Alzheimer's disease
Geriatr Gerotol Int , 7 , 393-400  (2007)
原著論文5
Kudo Y
Development of amyloid imaging PET probes for an early diagnosis of Alzheimer's disease
Minimally Invasive Therapy , 15 , 209-213  (2006)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-