早期前立腺がんにおける根治術後の再発に関する標準的治療法の確立に関する研究(若手医師・協力者活用に要する研究)

文献情報

文献番号
200715001A
報告書区分
総括
研究課題名
早期前立腺がんにおける根治術後の再発に関する標準的治療法の確立に関する研究(若手医師・協力者活用に要する研究)
課題番号
H17-チーム(がん)-若手-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
内藤 誠二(九州大学 大学院医学研究院泌尿器科学分野)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
14,562,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「早期前立腺がんにおける根治術後の再発に対する標準的治療法の確立に関する研究」は根治的前立腺摘除術が施行された後PSA再発を来たした患者を対象に、内分泌療法に先立ち放射線療法を行う群と行わない群による前向きランダム化比較試験を行い、内分泌療法前に放射線療法を行うことの臨床的有用性を明らかにする研究である。本臨床研究チームは当施設の臨床研究センターとも協力し、この臨床研究およびその他の臨床研究や治験の推進に積極的に貢献することを目的としている。
研究方法
a組は上記テーマについて、横溝晃を指導者、安達拓未を若手医師、鍋田美香を臨床研究協力者として、組織した。b組は江藤正俊を指導者、阿部立郎を若手医師、有本歩を臨床研究協力者として組織し、「腎・尿路性器癌における標準的治療の確立に関する研究」を中心テーマとして、臨床試験、治験を担当した。
結果と考察
a組の対象研究は平成19年度末現在、98名の登録が得られているが、重篤な有害事象はなく、放射線治療の品質管理も良好である。登録症例数が予定を下回っていたことが問題であったが、全施設での登録候補患者の調査、参加施設の入れ替え、患者への説明医の固定、コアメンバーによる縮小班会議の定期的開催、説明パンフレットの作成、配布、カルテ用シール等の配布などの対策を行った結果、H19年3月からH20年3月26日までの約1年間で44例の登録があり、登録数は急増した。H19年9月の班会議の際に行った詳細な登録候補患者数に関する調査では、出席した25施設において、PSA上昇直線から1年以内に登録可能なPSA値である0.4ng/mlに到達しそうな患者は90名存在することが明らかとなった。これらの患者を確実に recruit することで登録が推進されるものと期待される。b組は、「腎・尿路性器癌における標準的治療の確立に関する研究」を中心テーマとして、H19年度は、医師主導の臨床試験を12件(85例)、治験を11件(26例)、市販後臨床試験を1件 (1例)、実施した。
結論
当該臨床研究および多くの治験や臨床研究をこれらチームの活用によって円滑に実施することができた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-12-16
更新日
-

文献情報

文献番号
200715001B
報告書区分
総合
研究課題名
早期前立腺がんにおける根治術後の再発に関する標準的治療法の確立に関する研究(若手医師・協力者活用に要する研究)
課題番号
H17-チーム(がん)-若手-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
内藤 誠二(九州大学 大学院医学研究院泌尿器科学分野)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「早期前立腺がんにおける根治術後の再発に対する標準的治療法の確立に関する研究(若手医師・協力者活用に要する研究)」では「早期前立腺癌根治術後のPSA 再発に対する放射線照射と内分泌治療に関するランダム化比較試験 (phase III 試験) 」の研究支援をa組が担当し、円滑な研究遂行の補助を行うことを目的としている。また、臨床研究実施チームb組は、H17,18年度は「早期前立腺癌に対する根治的前立腺摘除術後、及び子宮癌に対する子宮摘除術後に生じる排尿障害の検討」を中心テーマとし、H19年度は、「腎・尿路性器癌における標準的治療の確立に関する研究」を中心にテーマとし、テーマを含めた多数の臨床研究や治験を担当し、円滑な研究遂行に貢献することを目的としている。
研究方法
a組、b組ともに、各々指導者、若手医師、臨床研究協力者の3名でチームを組織し、円滑な研究遂行を支援した。
結果と考察
a組の対象研究は平成19年度末現在、98名の登録が得られているが、重篤な有害事象はなく、放射線治療の品質管理も良好である。登録症例数が予定を下回っていたことが問題であったが、全施設での登録候補患者の調査、参加施設の入れ替え、患者への説明医の固定、コアメンバーによる縮小班会議の定期的開催、説明パンフレットの作成、配布、カルテ用シール等の配布などの対策を行った結果、H19年3月からH20年3月26日までの約1年間で44例の登録があり、登録数は急増した。H19年9月の班会議の際に行った詳細な登録候補患者数に関する調査では、出席した25施設において、PSA上昇直線から1年以内に登録可能なPSA値である0.4ng/mlに到達しそうな患者が90名存在することが明らかとなった。これらの患者を確実に recruit することで登録が推進されるものと期待される。b組は、H17年度から H19年度までに、医師主導の臨床試験を30件(328例)、治験を24件(55例)、市販後臨床試験を2件(3例)、医療用具治験を1件(2例)実施した。
結論
これらチームの活用によって当該臨床研究および多くの治験や臨床研究を円滑に実施することができた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-04
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-12-16
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200715001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
a組は「早期前立腺癌根治術後のPSA 再発に対する放射線照射と内分泌治療に関するランダム化比較試験の研究支援を行った。参加施設の入れ替え、患者への説明医の固定、説明パンフレットの作成、配布、カルテ用シール等の配布などの対策を行い、登録数が急増した。b組は、「腎・尿路性器癌における標準的治療の確立に関する研究」を中心テーマとし、H19年は、医師主導の臨床試験を12件(83例)、治験を11件(29例)、市販後臨床試験を1件 (1例)という多数の研究遂行に貢献した。
臨床的観点からの成果
臨床研究実施チームは、a組、b組ともに指導医師、若手医師、臨床研究協力者の3名から構成される。被験者の登録、データの収集・診療スケジュールの管理を行い、各臨床研究チームが担当となり責任を持って試験を進めることで、臨床試験の円滑な実施が可能となった。また本施設臨床研究センターとの会合に参加するなど情報交換を密に行い、治験の実施においても貢献した。今後、現体制を維持、充実させるとともに、新しい臨床研究および治験にも積極的に貢献したい。
ガイドライン等の開発
前立腺がん検診ガイドライン2008年度版
その他行政的観点からの成果
臨床研究は、患者の治療成績向上に直接貢献する非常に重要な研究であるにもかかわらず、その支援態勢は十分とは言えない。今回、指導医師、若手医師、臨床研究協力者の3名で構成される2組の臨床研究支援チームにより、多くの医師主導の臨床試験や、治験を遂行できたことは大きな意義をもつと考えられる。この研究で培われた知識や支援体制を多くの後継者へ引き継ぎ、発展させることで、更なる支援体制の充足を図りたい。
その他のインパクト
「前立腺がん」に関する新聞記事;西日本新聞 2006年4月2日, 2006、朝日新聞2007年8月18日、泌尿器悪性腫瘍-治療における最近の話題-. ラジオNIKKEI医学特別番組 明日の治療指針, 2006、「座談会:福岡市の事例から探る 前立腺癌の病診連携のあり方.」メディカル朝日 36 (9): 93-95, 2007、「asahi.com連動・医療シリーズ 50歳を過ぎたら年1回はPSA検査を」

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
2件
その他論文(和文)
1件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
5件
第93回日本泌尿器科学会総会、第41回日本癌治療学会総会など
学会発表(国際学会等)
1件
The 18th International Symposium of Foundation for Promotion of Cancer Research
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
市民公開講座

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Yokomizo A, Tobisu K, Kawamoto H, Nihei K, et
Randomized Controlled Trial to Evaluate Radiation plus Endocrine Therapy or Endocrine Therapy alone for PSA failure after radical prostatectomy: Japan Clinical Oncology Group Study JCOG 0401.
Jpn J Clin Oncol , 35 , 34-36  (2005)
原著論文2
Naito S
Evaluation and management of prostate-specific antigen recurrence after radical prostatectomy for localized prostate cancer.
Jpn J Clin Oncol , 35 , 365-374  (2005)
原著論文3
Yokomizo A, Murai M, Baba S, et al
Percentage of positive biopsy cores, preoperative prostate-specific antigen (PSA) level, pT and Gleason score as predictors of PSA recurrence after radical prostatectomy: a multi-institutional outcome study in Japan.
BJU Int , 98 , 549-553  (2006)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-