治験推進研究

文献情報

• 文献番号: 200714001A
• 報告書区分: 総括
• 研究課題名: 治験推進研究
• 課題番号: H19-治験-001
• 研究年度: 平成19(2007)年度
• 研究代表者(所属機関): 社団法人 日本医師会 (社団法人 日本医師会)

研究分担者(所属機関)

• 伊藤　健司(国立国際医療センター)
• 香川　征(徳島大学医学部・歯学部附属病院)
• 楊河　宏章(徳島大学医学部・歯学部附属病院)

• 研究区分: 厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究（治験推進研究）
• 研究開始年度: 平成19(2007)年度
• 研究終了予定年度: 平成19(2007)年度
• 研究費: 998,362,000円
• 研究者交替、所属機関変更: -

研究報告書（概要版）

研究目的

　本事業は、画期的な医薬品等の創製に資するため、治験に関連する環境を整備し、質の高い治験の速やかな実施可能体制を構築し、我が国の治験推進研究事業を遂行し健康福祉関連施策の高度化に資することを目的とする。また、医療上必須又は画期的医薬品等を国民に速やかに提供するため、複数の医療機関でネットワークを構築し、治験実施基盤整備のモデル研究を行う。

研究方法

　わが国で質の高い治験を実施するために構築中の全国規模のネットワークである大規模治験ネットワークの登録医療機関を対象に次の研究課題を募集し、これらの採択・支援を通じ、目的を達成することとした。1）治験の計画に関する研究（治験の実施の準備等に必要な資料を作成し、治験実施医療機関の選定に関する準備を行う）2）治験の調整、管理に関する研究（治験の実施の準備等に必要な資料が既に作成されているものに対し、治験実施医療機関を選定するとともに、治験調整医師として治験の実施に係る調整・管理を行う）3）治験の実施に関する研究（治験の実施の準備等に必要な資料が既に作成されているものに対して、選定された治験実施医療機関が治験を実施する）4）地域治験ネットワークの整備に関する研究（大規模治験ネットワークの登録医療機関群でネットワークを構成した地域治験ネットワークの治験推進体制を充実・強化する）

結果と考察

　医師主導治験に関する研究である1）から3）については、新規22課題及び継続44課題の計66課題を採択した。現在の治験実施状況は、すでに治験を終了して承認を取得済のものが2件、承認申請中のものが3件、治験実施中のものが5件、治験準備中のものが4件、残念ながら実施した治験の結果や外国での開発状況の変化により研究を中止したものが2件である。医師主導治験を実施した医療機関の中には、企業治験における治験依頼者の役割を理解し、医療機関の役割を見直すことで、治験依頼者の医療機関への訪問回数を減らすことに成功した医療機関もある。医師主導治験の経験は、企業治験をより効率的に実施するためにも有用であり、治験の推進につながっている。地域治験ネットワークに関する研究である4）については、継続8課題を採択し、治験推進体制の充実・強化を支援した。くわえて、これまでに採択した地域治験ネットワークを対象に製薬企業との直接の意見交換の機会等を提供する「治験ネットワーク･製薬企業合同フォーラム」を開催した。当該フォーラムについては製薬企業からも好評を得ており、継続した開催も検討している。

結論

　国内の治験推進のためにも本研究事業を継続的に行って必要がある。

公開日・更新日

• 公開日: 2009-04-09
• 更新日: -

行政効果報告

• 文献番号: 200714001C

成果

• 専門的・学術的観点からの成果: 医師主導治験の実施、地域治験ネットワーク活動等により、我が国の治験を推進させるための取り組みを行った。その成果として、臨床の現場で望まれていながら製薬企業が開発に消極的な領域での治験を実施するとともに、実施医療機関のネットワーク化等の質の高い治験を速やかに実施することが可能となる体制を整備した。
• 臨床的観点からの成果: 実施中の医師主導治験の多くが適応外使用の医薬品に関するものである。この中には医療上の必要性は高いが、患者数が少ないために研究開発が進んでいない希少疾病用医薬品も含まれており、効能追加を目的とした本治験を実施する臨床的意義は大きい。また、複数の医療機関によるネットワークにおいて治験推進体制を充実・強化することを目的とした研究では、いわゆる中央治験審査委員会の設置、医療従事者・一般市民への啓発活動等により、臨床現場で治験を進めるための基盤を整備した。
• ガイドライン等の開発: なし。
• その他行政的観点からの成果: 「全国治験活性化3カ年計画」で構築した「大規模治験ネットワーク」を活用して治験基盤を整備するとともに、「新たな治験活性化5カ年計画」の重点的取組事項である「中核病院・拠点医療機関の体制整備」及び「国民への普及啓発と治験・臨床研究への参加の促進」を担当した。また、効率的な治験実施を目的とした「治験の申請等に必要な関連書式統一作業班」の事務局を担当し、ここで検討された書式は「治験の依頼等に係る統一書式」として文部科学省及び厚生労働省から通知された。
• その他のインパクト: 国際共同治験に焦点を当てたシンポジウム及びワークショップとして「国際共同治験推進会議 in Hamamatsu」及び「国際共同治験への参画を目指す医師、CRCのためのワークショップ」を、中核病院・拠点医療機関の意見交換や企業のニーズに関する情報提供の場として「治験推進地域連絡会議」を開催した。くわえて、治験に関する情報提供、教育研修、治験促進センターの活動報告等のため、会合等での講演、ブース展示等を実施した。

発表件数

• 原著論文（和文）: 0件
• 原著論文（英文等）: 0件
• その他論文(和文): 3件
• その他論文(英文等): 0件
• 学会発表(国内学会): 5件
• 学会発表(国際学会等): 2件
• その他成果(特許の出願): 0件 ; 「出願」「取得」計0件
• その他成果(特許の取得): 0件
• その他成果(施策への反映): 0件
• その他成果(普及・啓発活動): 0件

公開日・更新日

• 公開日: 2015-05-26
• 更新日: 2017-06-20