胎児手術の技術的限界を克服しうる子宮内手術システムの開発:超高精度3D/4D超音波誘導下での超高感度胎児内視鏡手術

文献情報

文献番号
200712042A
報告書区分
総括
研究課題名
胎児手術の技術的限界を克服しうる子宮内手術システムの開発:超高精度3D/4D超音波誘導下での超高感度胎児内視鏡手術
課題番号
H19-ナノ-一般-016
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
千葉 敏雄(国立成育医療センター特殊診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 河合輝男(NHKエンジニアリングサービス)
  • 小林祐二(浜松ホトニクス株式会社)
  • 望月剛(アロカ株式会社・研究所)
  • 土肥健純(東京大学大学院情報理工学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
49,421,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、胎児治療をより安全・低侵襲に施行し、母体・胎児の治療成績・予後を改善しうる手術システム・機器を開発することにある。具体的には(1)FEA ( Field Emitter Array ) - HARP ( High-gain Avalanche Rushing amorphous Photoconductor ) 内視鏡、(2)超高精度3D/4D超音波診断装置、および(3)超音波診断装置データを用いた3D画像 Integral Videography(IV)立体表示システムの3つの研究課題からなる。本研究は経済産業省との連携型事業であり、(1)と(2)は経済産業省側事業、(3)は厚生労働省側事業として、相互に連携を図りながら研究開発を進める。
研究方法
FEA-HARP内視鏡の開発としては、HARPターゲット、FEA素子、FEA-HARP撮像素子の構造設計・試作・評価を行う。また、HARP撮像管カメラによる性能検証に取り組む。超音波診断装置の開発としては、同じ時間でビーム密度を2倍にするための同時並列受信技術の開発を行う。3D画像IV立体表示システムの開発としては、新システムを構築し、3Dデータ処理の高速化を図る。
結果と考察
画素数480×480(画素サイズ20×20ミクロン)、30フレーム/秒、9.6×9.6mmの有効撮像領域内で約200倍の電荷増倍率(対CCD感度20倍以上)を得ることができるFEA-HARP撮像素子の一次試作を完了した。また、外径5.4mmの内視鏡と組み合わせたHARP撮像管カメラとCCDカメラとを用いた比較撮影実験の結果、HARPとCCDとでは暗部の階調再現やノイズ等の点で明確な差が見られ、HARPの優位性が確認できた。超音波診断装置の開発においては、超音波ビーム形成のシミュレーションを行い、2方向に同時送信し、各送方向に対して4方向同時受信を行う方法を検証し、ビーム形成方法のデザインを進めた。また、装置に内蔵する基板製作も開始した。3D画像IV立体表示システムの開発としては、高性能GPU処理計算のアルゴリズムを開発し、データ変換にかかる処理時間が大幅に短縮されることを確認した。
結論
初年度は各研究課題における要素技術の開発と検証を進めた。次年度はこれらの技術を基盤とし、胎児内視鏡および超音波機器としての構成に取り組む。

公開日・更新日

公開日
2008-06-11
更新日
-