超高解像度MRI顕微鏡の開発

文献情報

文献番号
200712028A
報告書区分
総括
研究課題名
超高解像度MRI顕微鏡の開発
課題番号
H19-ナノ-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
福山 秀直(京都大学大学院 高次脳機能総合研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 上野 智弘(京都大学大学院 医学研究科)
  • 浦山 慎一(京都大学大学院 高次脳機能総合研究センター)
  • 松原 明(京都大学 低温物質科学研究センター)
  • 土井 信昭(株式会社 サムウエイ)
  • 広瀬 量一(株式会社 ジャパンスーパーコンダクタテクノロジー)
  • 高橋 良輔(京都大学大学院 医学研究科)
  • 澤本 伸克(京都大学大学院 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
46,654,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、細胞レベルの空間分解能でのex vivo撮像を可能とする超高解像度MRI顕微鏡を開発することを目的とする。具体的には、静磁場強度14.1テスラの小径ボア内に、傾斜磁場強度10T/mの傾斜磁場コイル、高感度ソレノイド型受信コイル、緩衝液を循環させ5ミリ角程度までの摘出細胞塊を生きた状態で固定できるガラス管、などを用い、空間分解能10ミクロン以下を目指す。これは、国内外において最先端レベルである。
研究方法
本年度は、開発初年度として、MRI顕微鏡室の施工、横置き14.1テスラ静磁場コイルの開発、600MHzNMRスペクトロメータの開発など、MRI顕微鏡の開発のための基盤開発を重点的に行った。また十分な信号ノイズ比を得られるよう、狭いボア内でも使用可能な超小型600MHzプリアンプの開発と、超高磁場MRI装置内でのex vivo環境の初期検討のため、ヒト全身用3テスラMRI装置でのex vivo環境構築等も行った。
結果と考察
MRI顕微鏡室は、床の強化、クエンチダクト設置、高電力電源の設置などを行った。静磁場コイルは、磁場強度14.09テスラ、磁場安定度0.02ppm/hr以下、磁場均一度delta B peak to peak +/- 0.4ppm等、MRI顕微鏡の開発に十分耐えうるものを作製した。600MHzNMRスペクトロメータは、時間同期のずれ数10ns以内、24ch TTL出力を持ち、1kwのパルス出力が安定して行えるものを開発した。超小型プリアンプは、サイズ15x15x10mmという世界最小サイズで、雑音指数0.3?0.5 dB、利得23?26 dBのものを開発した。ex vivo環境構築に関しては、ヒト全身用3テスラMRI装置で使用可能な直径20mmのヘルムホルツ型送受信コイルとそれにちょうど合う厚さ8mm、外径30mmのサイズのシャーレを作製し、十分な強度の信号を確認できた。
結論
本年度、MRI顕微鏡の開発のための基盤整備・開発が完了したため、次年度からは、本格的なMRI顕微鏡の開発、すなわち送受信コイルや傾斜磁場コイル、撮像システムの開発などに取り組む。ex vivo環境の構築に関し、検討をさらに加え、MRI顕微鏡の用途として期待される非凍結病理検査を行なうにあたっての指針となるようにする必要がある。

公開日・更新日

公開日
2008-06-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-12-16
更新日
-