画期的な霊長類HIV-1モデルによる抗エイズ薬、エイズワクチン評価基盤技術の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200710017A
報告書区分
総括
研究課題名
画期的な霊長類HIV-1モデルによる抗エイズ薬、エイズワクチン評価基盤技術の開発に関する研究
課題番号
H19-政策創薬-一般-005
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
明里 宏文(独立行政法人医薬基盤研究所・霊長類医科学研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 足立 昭夫(徳島大学大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 俣野 哲朗(東京大学・医科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬総合研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
39,775,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
抗エイズ薬開発やワクチン開発研究において、その安全性・有効性を評価する上で実験用サル類を用いたトランスレーショナルリサーチは不可欠である。本研究では近年確立された、サル細胞で増殖可能なサル指向性HIV-1クローンを用いて、これまで不可能とされてきたモデル動物である実験用サル類/HIV-1感染・発症システムを確立することを目的とする。
研究方法
今年度は第一世代のサル指向性HIV-1クローンであるNL-DT5Rを用いたマカク属サルへの感受性について、細胞レベルおよび個体レベルにおいて解析を行なうとともに、よりサル細胞での複製・増殖に最適化されたいわゆる第二世代サル指向性HIV-1クローンの構築に向けた基盤研究を行なった。
結果と考察
NL-DT5Rへのマカク属サル由来PBMC感受性はサル種により大きく異なっていた。感受性の高いサル種では、細胞レベルのみならず個体レベルでも同ウイルスの感染増殖が確認できた。また同時にサル細胞を用いた馴化ウイルスの遺伝子解析結果を基に、NL-DT5Rより増殖効率等で格段に優れたMN4/MN5分子クローンが得られた。
結論
以上の結果は今後のHIV-1サル感染発症システム確立に向け有望な成果であると考えられた。第2世代のサル指向性HIV-1クローン構築、サルPBMCおよび個体レベルでの感染・継代による馴化、さらにこれらの結果得られる馴化型ウイルスのゲノム・機能解析を進め、長期持続感染やCD4陽性細胞数の低下といった病原性を獲得した第3世代のサル指向性HIV-1クローン構築を目指していきたい。

公開日・更新日

公開日
2008-04-11
更新日
-