文献情報
文献番号
199700303A
報告書区分
総括
研究課題名
二次医療圏における初期、二次、三次救急医療体制の確立と評価方法の開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
島崎 修次(杏林大学医学部救急医学教室)
研究分担者(所属機関)
- 山本修三(済生会神奈川県病院)
- 相川直樹(慶應義塾大学医学部救急部)
- 益子邦洋(日本医科大学付属病院救急医学科)
- 信川益明(杏林大学医学部医療科学教室)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 健康政策調査研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
平成11(1999)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
日常生活圏である二次医療圏において救急医療体制を完結することを目指し、救急医療の確保のために、初期、二次、三次救急医療機関の機能分担に基づいて、地域における効率的な救急医療体制を構築すること、並びに評価方法を開発することが必要である。救命救急センターがセンター自身の機能のみを充実させるのではなく、二次医療圏の初期、二次救急医療機関との連携を効率的に行い、二次医療圏において文字通りセンターとして機能すれば全体の質も向上すると考えられる。地域協議会が救急医療体制を評価することが重要であり、ガイドライン作りの為の、評価方法の開発が必要である。そこで、本研究では将来の我が国における救急医療の良質かつ効率的な提供体制のあり方、特に、地域単位での救急医療体制の確保のあり方を検討する。
研究方法
二次医療圏における初期、二次、三次救急医療機関を評価する際に必要な二次救急医療機関の要件について検討する。更に、三次救急医療機関の整備要件についても検討する。これらの要件を踏まえて、救急医療機関の評価方法、評価指標について検討する。「平成7年度二次医療圏における救急医療体制に関する調査」の結果を分析して、二次医療圏における初期、二次、三次救急医療体制の現状と問題点を把握する。東京都、神奈川県、広島県、福岡県の二次医療圏について分析した。二次医療圏における初期、二次、三次救急医療機関の機能等を把握するため、「平成9年度救急医療対策事業等の現況調」の項目の検討を行い、新たな調査表を作成する。
結果と考察
一次・二次救急医療体制における業務評価の欠如:当該資料は救急医療の施行体制(供給面)の報告に限定され、業務実績が含まれないものである。今回の分析により東京都、神奈川県、広島県、福岡県の二次医療圏における救急医療供給面における顕著な地域差を認めても、その要因を正しく評価し適正な対策を講じることは困難である。今後の課題として、一次・二次救急医療にともなう適正な業務実績の報告を行うことが是非とも必要である。
三次救急体制:二次医療圏における三次救急医療施設の設備状況について、早急に現地の状況を確認して適正な対策を講じるべきである。各救命救急センターの業務実績を分析すると、病床利用率、平均在院日数、救急搬送受入件数に大きな差が認められた。救命救急センターの新設・統廃合を含めて、医療資源の公平かつ適正活用のための対策が必要である。救命救急センターによっては、ICU/CCU熱傷の各病床数に不適正な分布が認められ、早急に是正されるべきである。
三次救急体制:二次医療圏における三次救急医療施設の設備状況について、早急に現地の状況を確認して適正な対策を講じるべきである。各救命救急センターの業務実績を分析すると、病床利用率、平均在院日数、救急搬送受入件数に大きな差が認められた。救命救急センターの新設・統廃合を含めて、医療資源の公平かつ適正活用のための対策が必要である。救命救急センターによっては、ICU/CCU熱傷の各病床数に不適正な分布が認められ、早急に是正されるべきである。
結論
二次救急医療機関及び三次救急医療機関の整備要件の作成と二次医療圏における救急医療体制の現状と問題点の把握が重要であり、これらに基づいた救急医療機関の機能等を把握するための調査項目の検討と調査表の作成の必要性が示された。今後、二次医療圏単位での初期、二次、三次救急医療機関の機能等を把握するための調査の実施とそれに基づく評価方法、評価指標の開発が急務である。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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