致死性遺伝性不整脈疾患の遺伝子診断と臨床応用

文献情報

文献番号
200707024A
報告書区分
総括
研究課題名
致死性遺伝性不整脈疾患の遺伝子診断と臨床応用
課題番号
H18-ゲノム-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
清水 渉(国立循環器病センター 心臓血管内科)
研究分担者(所属機関)
  • 堀江 稔(滋賀医科大学 呼吸循環器内科)
  • 小川 聡(慶應義塾大学 呼吸循環器内科)
  • 相澤 義房(新潟大学大学院 医歯学総合研究科 循環器内科)
  • 大江 透(岡山大学大学院 医歯学総合研究科 循環器内科)
  • 山岸 正和(金沢大学大学院 医学系研究科 循環器内科)
  • 蒔田 直昌(北海道大学大学院 医学系研究科 循環器内科)
  • 田中 敏博(独立行政法人理化学研究所 遺伝子多型研究センター)
  • 赤尾 昌治(京都大学大学院 医学系研究科 循環器内科)
  • 宮本 恵宏(国立循環器病センター 臨床研究開発部 遺伝子検査)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(ヒトゲノムテーラーメード研究)
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
39,996,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1) 先天性QT延長症候群(LQTS)、Brugada症候群、薬剤誘起性LQTS他の二次性LQTSなどの致死性遺伝性不整脈疾患について、遺伝子型、遺伝子変異、あるいは多型特異的な患者の管理と治療法の選択と開発、すなわちテーラーメード医療の実現を目指す。(2) 同疾患の分子生物学的および電気生理学的な病態解明を行う。(3) 同疾患で、既報の原因遺伝子に変異が同定されていない症例について、新たな原因遺伝子(遺伝子型)を同定する。
研究方法
(1) 遺伝性不整脈疾患の遺伝子スクリーニングを施行し、先天性LQTSとBrugada症候群では、匿名化の上で遺伝情報と臨床情報を多施設登録してデータベース化し、遺伝子型、遺伝子変異、多型などの遺伝情報と、表現型である臨床病態や治療に対する反応性の違いなどとの関係を詳細に検討する。 (2) 同定された遺伝子変異、多型の電気生理学的機能解析および薬剤感受性試験、遺伝性不整脈モデルを用いた基礎的研究によって分子生物学的および電気生理学的な病態を解明する。 (3) 多施設データベースの情報をもとに、既報の原因遺伝子に変異が同定されない遺伝性不整脈疾患において、候補遺伝子のSNPを網羅的に検索する。
結果と考察
(1) 各種遺伝性不整脈疾患において、既報の原因遺伝子上に新規の遺伝子変異を同定し、その電気生理学的、臨床的特徴を報告した。(2) 全体研究として、先天性LQTSでは541例 (LQT1型243例、LQT2型217例、LQT3型50例、LQT5型2例、LQT7型17例、その他12例)、Brugada症候群では246例の多施設登録を完了した。平成20年度 (最終年度) にかけて、さらに遺伝子診断と登録を継続し、日本人独自のテーラーメード医療の実現をめざす予定である。(3) 既報の原因遺伝子に変異が同定されていない先天性LQTS症例でSNP解析を施行し、いくつかの候補遺伝子を同定した。平成20年度は症例数を増やして解析を行い、新たな原因遺伝子の同定を目指す予定である。
結論
先天性LQTSとBrugada症候群症例において、遺伝情報と臨床情報の多施設登録とデータベース化を施行し、今後、遺伝子型、遺伝子変異、あるいは多型特異的な患者の管理と治療法の選択と開発、すなわちテーラーメード医療の実現を目指す。

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-11-17
更新日
-