ゲノムリテラシー向上のための人材育成と教育ツール開発に関する研究

文献情報

文献番号
200707021A
報告書区分
総括
研究課題名
ゲノムリテラシー向上のための人材育成と教育ツール開発に関する研究
課題番号
H17-生命-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
福嶋 義光(国立大学法人信州大学 医学部遺伝医学・予防医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 櫻井 晃洋(国立大学法人信州大学 医学部遺伝医学・予防医学講座)
  • 千代 豪昭(国立大学法人お茶の水女子大学大学院人間文化研究科遺伝カウンセリングコース)
  • 玉井 真理子(国立大学法人信州大学医学部保健学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(ヒトゲノムテーラーメード研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
6,224,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 ゲノムについての「国民および社会の理解の促進」のために最も適切な啓発活動を考案し,実践・評価したのち,全国的な事業計画を提案することを目的とした研究を行なった.
研究方法
1)現状把握を行ない,2) 到達目標を設定するとともに教育ツール開発し,3) 人材育成に努め,4)実践活動による評価を行ない,5) 全国遺伝子医療部門連絡会議を通じて,全国に発信する.
結果と考察
教育ツールとしてはすでに一般市民を対象に「遺伝」の問題を自分自身にも関係し得る身近な問題であるとの理解を促すことを目的とした,教育ツール(信州大学遺伝子診療部のスタッフで構成される劇団GENETOPIAが演じた遺伝ドラマ「あなたのそばに」を収録したビデオの上映とその前後にパワーポイントを用いた解説を行うもの)を開発したが,本研究計画の最終年度となる今年度は,近い将来実現することが予想されるゲノム情報を基盤にした個別化医療(オーダーメイド医療,テーラーメイド医療)の有用性と注意すべき点をわかりやすくまとめたマンガ「ゲノム・カード:あなたのゲノム,私のゲノム,個性に基づく明日の医療」を開発した.これらの教育ツールを用いて,いくつかの集団を対象に実践活動を行い,これらの教育ツールの有効性を確認した.一般市民向けおよび医療従事者向けの情報提供サイトとして,GENETOPIA http://genetopia.md.shinshu-u.ac.jp を管理運営し,種々の有用な情報を掲載した.GENETOPIA は遺伝子診療関連としては最もヒット数が多いサイトとなっており,わが国の遺伝医療のレベルアップに貢献している.認定遺伝カウンセラー養成課程連絡会議,および全国遺伝子医療部門連絡会議を継続して開催したことによりわが国全体の遺伝医療の質的向上が図られたと考える.
結論
本研究はヒトゲノム・遺伝子解析研究の重要性および遺伝情報の特殊性とその意義について,国民および社会から理解を得るのに最も適切な教育・啓発活動を考案し,その教育・啓発活動を実践・評価したのち,全国的な事業計画を提案することを目的として研究を進めてきた.現状評価に関する調査,遺伝教育パッケージの作成,ホームページの運営,遺伝教育の実践活動と評価,全国遺伝子医療部門連絡会議の継続的開催に向けた準備など,本研究はわが国全体の遺伝医療の向上に大きな役割を果たした.

公開日・更新日

公開日
2008-04-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-11-17
更新日
-

文献情報

文献番号
200707021B
報告書区分
総合
研究課題名
ゲノムリテラシー向上のための人材育成と教育ツール開発に関する研究
課題番号
H17-生命-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
福嶋 義光(国立大学法人信州大学 医学部遺伝医学・予防医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 櫻井 晃洋(国立大学法人信州大学 医学部遺伝医学・予防医学講座)
  • 千代 豪昭(国立大学法人お茶の水女子大学大学院人間文化研究科遺伝カウンセリングコース)
  • 玉井 真理子(国立大学法人信州大学 医学部保健学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(ヒトゲノムテーラーメード研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ゲノムについての「国民および社会の理解の促進」のために最も適切な啓発活動を考案し,実践・評価したのち,全国的な事業計画を提案することを目的とした.
研究方法
1)現状把握を行ない,2) 到達目標を設定するとともに教育ツール開発し,3) 人材育成に努め,4)実践活動による評価を行ない,5) 全国遺伝子医療部門連絡会議を通じて,全国に発信する.

結果と考察
到達目標を「遺伝」の問題を自分自身にも関係し得る身近な問題としてとらえること,および近い将来実現することが予想されるゲノム情報を基盤にした個別化医療(オーダーメイド医療,テーラーメイド医療)の有用性と注意すべき点について理解を得ることとし,1)信州大学遺伝子診療部のスタッフで構成される劇団GENETOPIAが演じた遺伝ドラマ「あなたのそばに」を収録したビデオの上映とその前後にパワーポイントを用いた解説を行うもの,2)音声付きマンガCD「ゲノム・カード:あなたのゲノム,私のゲノム,個性に基づく明日の医療」)の2種類の教育ツールを開発した.これらのツールを用いて実践活動を行った結果,遺伝性疾患が特別なものではなく,身近な問題として認識できたという感想が多く,本教育ツールはゲノムリテラシー向上のために有用であると考えられた.また,一般市民向けおよび医療従事者向けの情報提供サイトとして,GENETOPIA http://genetopia.md.shinshu-u.ac.jp を管理運営し,種々の有用な情報を掲載した.GENETOPIA は遺伝子診療関連としては最もヒット数が多いサイトとなっており,わが国の遺伝医療のレベルアップに貢献している.認定遺伝カウンセラー養成課程連絡会議,および全国遺伝子医療部門連絡会議を継続して開催したことによりわが国全体の遺伝医療の質的向上が図られたと考える.
結論
本研究はヒトゲノム・遺伝子解析研究の重要性および遺伝情報の特殊性とその意義について,国民および社会から理解を得るのに最も適切な教育・啓発活動を考案し,その教育・啓発活動を実践・評価したのち,全国的な事業計画を提案することを目的として研究を進めてきた.現状評価に関する調査,遺伝教育パッケージの作成,ホームページの運営,遺伝教育の実践活動と評価,全国遺伝子医療部門連絡会議の継続的開催に向けた準備など,本研究はわが国全体の遺伝医療の向上に大きな役割を果たした.

公開日・更新日

公開日
2008-04-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-11-17
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200707021C

成果

専門的・学術的観点からの成果
現状評価に関する調査結果の詳細は報告書に記載し公表することにより,今後のゲノムリテラシー向上のための種々の取組みの立案のために役立てられる.本研究により作成した遺伝教育パッケージは全国遺伝子医療部門連絡会議の参加施設,および全ての大学病院に配布しており,各施設において行なわれるゲノムリテラシー向上のための取組みに利用されることが期待される.
臨床的観点からの成果
本研究の成果は遺伝ネットワーク “GENETOPIA”http://genetopia.md.shinshu-u.ac.jp に掲載しており,一般市民および医療従事者に幅広く利用されている.その中でも「GeneReviews Japan」には多くの専門家の協力を得て,現在,56疾患について,症状,診断,遺伝学的検査の方法,遺伝カウンセリングを行なうに際しての留意点などを掲載している.このサイトは遺伝子診療関連としては最もヒット数が多く,わが国の遺伝医療のレベルアップに貢献している.
ガイドライン等の開発
日本産科婦人科学会「習慣流産に対する着床前診断についての考え方」(2006),「出生前に行なわれる検査および診断に関する見解」(2007)
日本循環器学会「心臓血管疾患における遺伝学的検査と遺伝カウンセリングに関するガイドライン」(2006)

その他行政的観点からの成果
本研究では,遺伝子医療をめぐる問題についての情報の共有および各施設間の情報交換,意見交換を行うため,全国の大学病院を中心とする遺伝子医療部門に参加を呼びかけ,全国遺伝子医療部門連絡会議を開催してきた.次年度以降,維持機関会員制度に移行することにより継続して開催できる体制を構築したことは大きな成果である.
その他のインパクト
全国遺伝子医療部門連絡会議の開催(2005.11.5,2006.11.18,2007.11.17)
遺伝医学教育(教育医事新聞2005.6.25),遺伝相談の授業実施(信濃毎日新聞2005.9.14),遺伝性の病気テーマに劇上演(信濃毎日新聞2005.9.21,山陽新聞2005.9.23,),患者の心,演劇通し学ぶ(信濃毎日新聞2005.12.23),遺伝子医療の現状(教育医事新聞2006.1.1),出生前親子鑑定(朝日新聞2006.11.21),遺伝情報の利用(中日新聞2007.10.19)

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
6件
その他論文(和文)
46件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
48件
学会発表(国際学会等)
2件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
10件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Fukushima Y
Guidelines on Genetic Testing.
Japan Medical Association Journal , 48 , 429-431  (2005)
原著論文2
Yoshida K, Sakurai A, Fukushima Y et al.
Nation wide survey on predictive genetic testing for late-onset, incurable neurological diseases in Japan.
Journal of Human Genetics , 52 , 675-679  (2007)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-