文献情報
文献番号
200707015A
報告書区分
総括
研究課題名
迅速・簡便・超高感度な新規SNPs検出法による薬剤応答性遺伝子診断システムの開発
課題番号
H17-ファーマコ-一般-005
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 一彦(住友ベークライト株式会社バイオ製品開発プロジェクトチーム)
研究分担者(所属機関)
- 木下 健司(武庫川女子大学 薬学部)
- 横山 兼久(住友ベークライト株式会社)
- 藤本 健太郎(住友ベークライト株式会社)
- 猪子 英俊(東海大学 医学部)
- 森川 實(ジェノダイブファーマ株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(ヒトゲノムテーラーメード研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
31,495,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
住友ベークライトのDNAマイクロアレイ用プラスチック基板上で固相プライマー伸長させるMPEX法によるSNPs検出法を検討してきた。本年度は、MPEX法による遺伝子診断を臨床現場に適した遺伝子検査システムとして構築するため、さらなる、簡便性、迅速性、高感度化を図ることを目的として検討をおこなった。
研究方法
基板上でPCRとMPEXを同時に行う検出法のハード面の検討を行った。高速でヒートサイクルをかけられる、基板専用サーマルサイクラーの開発と、このサーマルサイクラーにおいて、効率よく熱の伝導を行える基板の設計および射出成形方法の検討、さらには、操作性に優れた基板の設計と試作をおこなった。また、ヒートサイクル不要のLAMP法とMPEXの組み合わせによるSNPs検出法を検討した。薬剤応答に関するSNPsについてLAMP法により、同一DNA鎖上(シス)に存在する複数の多型領域を同時に検索するDNAタイピングの可能性を、HLAクラスII遺伝子およびHLAクラスI遺伝子アリルのグループ分けとある薬剤の副作用に関連するHLAアリルの検出を検討し、次に、標的多型を特異的に検出するオリゴDNAプローブを固定したプラスチック基板上において、LAMP反応をおこない、標的領域の特異的増幅および多型の同時特異的検出を検討した。
結果と考察
予め温度設定がされたヒートブロック上を基板が移動してヒートサイクルをかける方式の基板用サーマルサイクラーを試作した。本サーマルサイクラーと専用の基板の検討により、効率の高い基板上でのPCRとMPEX同時反応が可能となった。サーマルサイクラーの温度条件の設定により増幅から検出まで30分程度でのSNPs検出が可能であった。また、基板上LAMPとMPEXの組み合わせにより、目的のSNPアリルを含む検査領域の特異的な増幅とSNP検出を同一プラスチック基板上で同時におこなうシステムの検証の結果、本タイピング法が短時間で特異的に目視により判定できるという有用生を裏付けるデーターの蓄積が出来た。これらの検出方法は、PCR増幅産物を分注してMPEX反応を行う方法に比べ、増幅産物によるクロスコンタミネーションの確率を低減するというメリットも有する。
結論
基板上にて、増幅反応とMPEXを同時に行う遺伝子検出方法を開発し、迅速性、簡便性、高感度化を図ったSNPs検出システムの基礎技術を構築した。
公開日・更新日
公開日
2008-04-15
更新日
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