造血幹細胞移植におけるドナーの安全性と倫理的保護を確保したコーディネートシステム構築に関する研究

文献情報

文献番号
200706032A
報告書区分
総括
研究課題名
造血幹細胞移植におけるドナーの安全性と倫理的保護を確保したコーディネートシステム構築に関する研究
課題番号
H19-再生-若手-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
金 成元(国立がんセンター中央病院・特殊病棟部)
研究分担者(所属機関)
  • 細谷 亮太(財団法人聖路加国際病院)
  • 笠井 正晴(特定医療法人北楡会札幌北楡病院 )
  • 上田 恭典(財団法人倉敷中央病院・血液内科および血液治療センター)
  • 吉場 史朗(東海大学医学部・基盤診療学系再生医療科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療等研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,113,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
非血縁者間同種造血幹細胞移植領域では、公正、中立な公的骨髄バンクによるコーディネートシステムが確立しているが、血縁移植領域では同様の組織もなく、システムも確立していない。多くの移植施設において患者の担当医がドナーの適格性を判定している事が多く、患者が身内であるが故に生じる独特のプレッシャーも加わり、ドナー候補となった血縁者は自発的な判断を下しにくいのが実情である。血縁者間同種造血幹細胞移植におけるドナーコーディネートを多角的に検証することによってコーディネートシステムを構築し、近い将来のコーディネーター増加に備え、業務内容を確立することを目的とする。
研究方法
平成19年度は造血幹細胞移植コーディネーターを含む様々な専門家と議論を深めた上で研究計画を策定し、平成20年度は策定した研究計画をコーディネーター在籍4施設および不在3施設の計7施設において実践し、血縁者間同種造血幹細胞移植におけるドナーコーディネートを多角的、客観的に検証することによって、コーディネートシステムを構築することにした。
結果と考察
平成19年6月1日?平成20年3月1日に計11回班研究検討会を開催し、平成19年8月24日、11月28日の計2回外部講師による移植コーディネート勉強会を開催した。血縁コーディネートにおいては、患者に対する十分な説明と同意の支援、移植後の療養生活の支援、ドナー候補に対する中立的な立場での説明と意思確認、患者およびドナー(候補)とその家族間に生じる不必要なストレスの回避、移植に関連して生じる諸手続きの支援等に留意する必要があり、患者およびドナー(候補)との人間関係を構築して行く必要があると考えられた。これらの議論に基づき、主研究である「血縁者間同種造血幹細胞移植におけるドナーコーディネートの多角的検証」の実施計画書を作成・固定した。本主研究は、『網羅的「血縁ドナーコーディネートリスト」の作成』、『コーディネートプロセス評価ツールの作成』、『コーディネートシステム導入効果の測定』、『血縁ドナーコーディネート業務における担当医師のストレッサーおよびストレス反応の検証』、以上4つの小研究で構成された。
結論
本研究班の主研究「血縁者間同種造血幹細胞移植におけるドナーコーディネートの多角的検証」の実施計画書を作成した。平成20年度は本主研究を前方視的に実行する。

公開日・更新日

公開日
2008-06-05
更新日
-