臨床移植コーディネーター看護師養成教育プログラムの開発と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200706031A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床移植コーディネーター看護師養成教育プログラムの開発と評価に関する研究
課題番号
H19-再生-若手-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
清水 準一(首都大学東京健康福祉学部)
研究分担者(所属機関)
  • 志自岐 康子(首都大学東京健康福祉学部)
  • 勝野 とわ子(首都大学東京健康福祉学部)
  • 習田 明裕(首都大学東京健康福祉学部)
  • 高田 早苗(神戸市看護大学)
  • 内藤 明子(首都大学東京健康福祉学部)
  • 石川 陽子(首都大学東京健康福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療等研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、生体臓器移植や造血幹細胞移植における心理・社会的問題や倫理的課題にも対応できる臨床移植コーディネーター看護師(Clinical Transplant Coordinator Nurse:以下CTCN)の養成課程の開発と評価方法の確立を目的とし、平成19年度はその準備段階として、国内外のCTCNの研修体制・資格認定等の状況の把握及び、養成後に活躍できる体制の検討を行った。
研究方法
臨床における情勢の変化や対象者の研究への協力状況などを考慮し、当初の研究計画を一部変更し、臨床移植コーディネーター看護師(CTCN)の養成教育プログラムの開発と深化に向け、1)米国の教育・資格認定における実態把握、2)日本における養成研修の実態把握、3)CTCNが臨床で活躍できる環境に関する検討として移植施設の看護管理者の意向調査の3つの分担研究班に分かれて研究を実施した。
結果と考察
移植先進国である米国では、ナースプラクティショナーがCTCNとして勤務し、より自律的な判断を行っていた。またCTCNの養成教育は大学院等では十分に行われているわけではないが、NATCOにおいてCTCNの研修・教科書の作成等が行われ、ABTCで資格審査が行われていた。
国内の研修の一つである日本看護協会が主催する研修では、これまでに約450名が受講していた。時代とともに研修内容も変化してきたが、受講者の臨床での役割や経験等の背景が多様であることや、研修の受講が診療報酬への反映や受講者の資格認定等と結びつかない状況から、受講者の要望である実地演習や日数増加等の対応をとりにくい状況であることがうかがえた。
看護管理者に対する調査では、CTCNの配置・増員の意向を示す管理者が多くみられたが、養成したCTCNが臨床で活躍するには病院全体の看護職員の充足や診療報酬面での裏付け、移植医との役割の調整など、CTCNの資質だけではなく構造的な要因に目を向ける必要があることが明らかになった。
結論
国内の移植施設ごとにCTCNのおかれた状況や教育背景は極めて多様であり、それだけに一定の質を保証する養成研修等はCTCNの配置を促進につながると考えられる。今後は養成教育の内容と方法及び実践能力の評価方法についての具体的な検討が必要であり、次年度に実施する予定である。

公開日・更新日

公開日
2008-04-11
更新日
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