膵上皮幹細胞による糖尿病細胞治療に関する研究

文献情報

文献番号
200706022A
報告書区分
総括
研究課題名
膵上皮幹細胞による糖尿病細胞治療に関する研究
課題番号
H18-再生-若手-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
宮脇 一真(京都大学医学部附属病院 探索医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 奥野 正顕(神戸学院大学薬学部 社会薬学部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療等研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2002年に実施された糖尿病実態調査によると、我が国における糖尿病患者数は約740万人、その予備軍を合わせると約1620万人にも達するとされており、国民健康上の深刻な問題となっている。しかし従来の治療法では、1型糖尿病患者や重度2型糖尿病患者の血糖値を生理的範囲内にコントロールすることは困難であることから、移植・再生医療の確立に期待が寄せられている。本研究の目的は、糖尿病移植医療におけるドナー不足の問題を解決するため、in vitroで長期間自己複製可能な体性幹細胞を同定し、インスリン産生細胞への分化誘導法を開発することである。
研究方法
PES細胞の精製ゲノムDNAを制限酵素で切断しテロメア長を測定した。膵発生学上重要な12種類の転写因子を発現するアデノウイルスを作製し、100 moiになるようにPES細胞に感染させた。17種類の分化抑制遺伝子に対してsiRNAをデザインし、100 pmolを1x10^5細胞にトランスフェクションした。分化誘導したPES細胞に対し、Patchクランプ法により電気生理学的検討を行った。膵β細胞とPES細胞からそれぞれTotal RNAを抽出し、GeneChip解析を行った。
結果と考察
PES細胞は長期にわたり旺盛な増殖力を保持し、Pdx1、HNF1α、HNF3β、Nkx2.2、Nkx6.1を発現していた。ダブリングタイムは約48時間であった。NeuroD発現アデノウイルスにより、ATP感受性カリウムチャネル、電位依存性カルシウムチャネル、インスリンプロセッシング酵素、開口放出関連因子の発現が誘導され、NeuroD、MafA、Isl1の導入により、インスリン2遺伝子が誘導された。GeneChip解析の結果、PES細胞ではNotchシグナルをはじめとする分化抑制因子が強く発現していることが明らかとなった。分化抑制因子の発現をsiRNAによって抑制することによりインスリン以外の膵ホルモンの誘導が認められた。NeuroD、MafA、Isl1を同時に導入したPES細胞から電位依存性カルシウムチャネルのカレントを確認した。
結論
PES細胞は、膵β細胞へ分化する能力を有することが示唆されたが、より分化度の高い膵β細胞を作製するためには、さらなる分化誘導法の検討が必要であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2008-05-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-11-17
更新日
-

文献情報

文献番号
200706022B
報告書区分
総合
研究課題名
膵上皮幹細胞による糖尿病細胞治療に関する研究
課題番号
H18-再生-若手-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
宮脇 一真(京都大学医学部附属病院 探索医療センター)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療等研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-11-17
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200706022C