文献情報
文献番号
200706014A
報告書区分
総括
研究課題名
同種造血幹細胞移植治療の成績向上を目指した包括的臨床研究
課題番号
H17-再生-一般-016
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
高上 洋一(国立がんセンター中央病院・薬物療法部)
研究分担者(所属機関)
- 平家 勇司(国立がんセンター中央病院・薬物療法部)
- 河野 嘉文(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科・小児科学)
- 松井 利充(神戸大学大学院医学系研究科内科学講座・血液内科学分野)
- 宇都宮 與(慈愛会 今村病院分院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療等研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
各種の造血幹細胞移植の標準化と適応拡大を目指した臨床試験を遂行し、合併症対策を基礎的研究成果も参考に検討する。当該治療に必要な希少医薬品の適応拡大のための手順を開発する。また、移植治療や再生医療の科学的根拠を検証する基盤研究を促進するための新たな研究手法を開発する。
研究方法
白血病や骨髄異形成症候群患者などを対象として臨床試験と基礎研究を遂行する。血縁者の末梢血幹細胞、非血縁者の骨髄あるいは臍帯血を用いたミニ移植を検証する。その他、TMAの早期診断と介入、GVHDの臨床評価や移植領域における適応外医薬品の臨床導入などを検討する。付随研究として、移植後のCMV感染の発症頻度とCMV特異的T細胞動態を経時的に検討し、また治療の根拠を検証するための動物実験モデルを作成する。
結果と考察
研究結果をもとに、ミニ移植に必須の薬剤の適応拡大が可能になる見通しとなった。その他、非血縁者間骨髄、HLA一座不適合血縁ドナーや臍帯血を幹細胞源としたミニ移植などの適応拡大を検討した。移植直後のCRP値がGVHD発症の簡便なマーカーとなる可能性、移植患者の血糖値や体重のコントロールが移植後の予後に影響することを世界でも初めて報告し、治療成績の向上の手かがりとする前向き試験を計画した。ミニ移植後の免疫機能を解析する過程で、GFP(緑色蛍光タンパク質)遺伝子導入マウス移植系による投与細胞の生体内での細胞動態解析システムを開発した。
本研究においては、ミニ移植を含めた各種の造血幹細胞移植の標準化のための厳正な臨床試験と安全性向上のための合併症対策を検討し、我が国固有のエビデンスを蓄積することを目指した。特に、現在の医師主導臨床治験を先取りする形で、学会と協働して適応外医薬品の導入を図る手法を初めて用いたことは大きな成果と考える。同時に、移植医療の均てん化も目指して多くの研修者を受け入れた。新規に開発したGFP遺伝子導入マウスのミニ移植モデルは、今後、移植治療や再生医療の科学的根拠を検証するための基盤研究に必須の役割を果たすことが期待される。
本研究においては、ミニ移植を含めた各種の造血幹細胞移植の標準化のための厳正な臨床試験と安全性向上のための合併症対策を検討し、我が国固有のエビデンスを蓄積することを目指した。特に、現在の医師主導臨床治験を先取りする形で、学会と協働して適応外医薬品の導入を図る手法を初めて用いたことは大きな成果と考える。同時に、移植医療の均てん化も目指して多くの研修者を受け入れた。新規に開発したGFP遺伝子導入マウスのミニ移植モデルは、今後、移植治療や再生医療の科学的根拠を検証するための基盤研究に必須の役割を果たすことが期待される。
結論
造血幹細胞移植治療の標準化、新規治療の開発並びに安全性向上を目指した臨床試験と基礎研究を推進して一定の成果を挙げて国民医療の向上に寄与した。
公開日・更新日
公開日
2008-04-11
更新日
-