文献情報
文献番号
200705036A
報告書区分
総括
研究課題名
フィブリノゲン納入医療機関における投与の記録保存の実態に関する研究
課題番号
H19-特別-036
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
研究分担者(所属機関)
- 岡田 義昭(国立感染症研究所 血液・安全性研究部 第一室)
- 田中 純子(広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 疫学・疾病制御学講座)
- 八橋 弘(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
96,240,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
フィブリノゲン製剤の投与の記録が残っていた医療機関を対象として調査をすることで、投与から40年以上経過した現在のフィブリノゲン製剤の投与の記録の状況について、その実態を明らかにすることを目的とした。
研究方法
厚生労働省が平成19年11月に追加調査をしたフィブリノゲン製剤納入先医療機関6,609施設のうち、フィブリノゲン製剤を「投与されたことが判明している方がいる」と回答した644施設(2月1日時点)を対象とし、フィブリノゲンが承認された昭和39年以降の、医療機関に現存している諸記録のうち、投与の事実が確認できる、あらゆる記録を対象にフィブリノゲン製剤投与の記録の有無について調査した。調査期間は平成20年2月29日から3月10日であった。
結果と考察
調査対象の644の医療機関中、有効回答数は475施設(73.8%)、フィブリノゲン製剤の投与が判明した患者数は7,406人であった。フィブリノゲン製剤の投与経路に関しては、「静脈注射」が2,376人(投与が判明した人数7,406人に対して、32.1%)、「フィブリン糊」は2,907人(同、39.3%)、両者の併用が132人(同、1.8%)であった。患者への投与が判明する基になった記録は、カルテにより投与が判明している患者が最も多く、次いで手術記録、レセプトの写しの順であった。また、医療機関数でみると、カルテ、手術記録、分娩記録の順に多かった。投与が判明した患者の過半数には、既に患者や遺族へのお知らせが行われていた。肝炎ウイルス感染の状況や患者の転帰に関しても、データが得られたが、調査対象者に偏りがあるほか、不明である患者が多かったことから、正確な情報を得ることが難しかった。
結論
フィブリノゲン製剤の投与が判明した記録の調査や転帰等に関する調査を行った結果、投与の基となったカルテ、手術記録等が多かったこと、多くの投与患者については医療機関からお知らせが既に行われていることや、現在医療機関が把握している転帰の状況が判明した。
公開日・更新日
公開日
2008-04-21
更新日
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