文献情報
文献番号
200705031A
報告書区分
総括
研究課題名
火葬炉から排出される有害物質の実態調査とその抑制対策
課題番号
H19-特別-指定-023
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
武田 信生(立命館大学)
研究分担者(所属機関)
- 高岡 昌輝(京都大学大学院工学研究科)
- 大下 和徹(京都大学大学院工学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
わが国の火葬率は、平成18年度で約99.7%であり、かつ死亡人口が年々増加していることから、火葬数は増大傾向にある。火葬場から排出される排ガスや集じん灰、残骨灰等は、宗教上の観点から大気汚染防止法や廃棄物処理法などの対象外であるが、安全・安心な火葬を続けていくためには、火葬炉から排出される有害物質に関する実態調査およびその排出抑制対策が必要となる。
そこで、本研究は、火葬場から排出される有害物質の濃度、総量、排出形態について、その実態を明らかにし、排出抑制策を検討することを目的とした。
そこで、本研究は、火葬場から排出される有害物質の濃度、総量、排出形態について、その実態を明らかにし、排出抑制策を検討することを目的とした。
研究方法
対象施設として代表的な4箇所の火葬炉を選定し、排ガス中のダイオキシン類や水銀などについて測定を行い、データを収集した。また、残骨灰および集じん灰中についてもダイオキシン類の濃度や、水銀を含む重金属などの溶出量、含有量に関する調査を行った。
結果と考察
排ガス中ダイオキシン類は、算術平均で0.42ng-TEQ/m3Nであり、この結果から、火葬炉における排出原単位は、1,000ng-TEQ/人と見積もられた。さらに、平成17年度の火葬炉の排出インベントリーは1.1g-TEQ/年と試算され、10年前の調査の結果、現在試算されている排出インベントリーの1/5程度まで削減され、排出抑制ガイドラインの効果がうかがえた。
排ガス中の水銀に関しては、一サンプルのみ0.008mg/m3Nを示し、他の多くは定量下限値となった。水銀挙動の調査では過去の調査事例と同様の傾向である歯科アマルガム由来による発生が大きな寄与を占めることが確認された。
残骨灰および集じん灰の重金属に関しては、全てのサンプルで六価クロムの溶出量が、基準の180?1200倍であり、含有量に関しても基準超過するケースが見られたことから、残骨灰、集じん灰に関しては、まず六価クロムに対する対策が必要であると考えられた。
排ガス中の水銀に関しては、一サンプルのみ0.008mg/m3Nを示し、他の多くは定量下限値となった。水銀挙動の調査では過去の調査事例と同様の傾向である歯科アマルガム由来による発生が大きな寄与を占めることが確認された。
残骨灰および集じん灰の重金属に関しては、全てのサンプルで六価クロムの溶出量が、基準の180?1200倍であり、含有量に関しても基準超過するケースが見られたことから、残骨灰、集じん灰に関しては、まず六価クロムに対する対策が必要であると考えられた。
結論
・ダイオキシン類排出抑制ガイドラインにより、火葬炉からのダイオキシン類排出量は1/5程度まで削減されていることが示唆された。
・排ガス中の水銀はJIS法による測定では濃度は低いが、連続分析では歯科アマルガム由来のHg(0)の高濃度ピークが確認され、今後更なる調査が必要である。
・残骨灰、および集じん灰中の重金属は、まず、六価クロムに対する対策が必要であると考えられた。
・本研究では火葬炉:4箇所のみでの調査を行ったが、今後更なる調査が必要である。
・排ガス中の水銀はJIS法による測定では濃度は低いが、連続分析では歯科アマルガム由来のHg(0)の高濃度ピークが確認され、今後更なる調査が必要である。
・残骨灰、および集じん灰中の重金属は、まず、六価クロムに対する対策が必要であると考えられた。
・本研究では火葬炉:4箇所のみでの調査を行ったが、今後更なる調査が必要である。
公開日・更新日
公開日
2008-04-23
更新日
-