文献情報
文献番号
200705022A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床研究啓発のための認識に関する質的研究
課題番号
H19-特別-指定-022
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
楠岡 英雄(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 是恒 之宏(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)
- 小林 史明(社団法人日本医師会治験促進センター)
- 山本 晴子(国立循環器病センター)
- 武林 亨(慶應義塾大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
2,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、「臨床試験・臨床研究」という言葉の認知・浸透度を把握するとともに、国民の理解内容の広がりと深まりを構造的に捉えることを目的とした。
研究方法
本研究では、調査方法として、WEBアンケートおよび留置きアンケートを採用した。また、分析手法として、テキストマイニングによる「連想ネットワーク分析」を採用した。調査対象者を、一般生活者、疾患者、医療関係者に分類し、それぞれに対し調査を行った。
1)一般生活者:WEBアンケートモニターであり、WEBアンケートで実施した。
2)疾患者:通院中の患者であり、アンケート用紙を配布し、郵送にて回収した。
3)医療関係者:治験中核病院・拠点医療機関の医師とその他の医療関係者であり、WEBアンケートで実施した。
分析には連想ネットワーク調査の手法を用いた。イメージ(言葉)を丹念に聞き取る定性的な調査を行い、そこで得られた定性情報を定量的に処理し、理解内容を構造的に数値化して把握する手法である。
1)一般生活者:WEBアンケートモニターであり、WEBアンケートで実施した。
2)疾患者:通院中の患者であり、アンケート用紙を配布し、郵送にて回収した。
3)医療関係者:治験中核病院・拠点医療機関の医師とその他の医療関係者であり、WEBアンケートで実施した。
分析には連想ネットワーク調査の手法を用いた。イメージ(言葉)を丹念に聞き取る定性的な調査を行い、そこで得られた定性情報を定量的に処理し、理解内容を構造的に数値化して把握する手法である。
結果と考察
一般生活者の「臨床試験・臨床研究」の認知率は92%と高い。人体実験・新薬開発・動物実験・新薬の試験が最も多く連想された言葉である。新薬開発・新薬の試験はポジティブな意識での連想である。人体実験・実験台・副作用はネガティブ意識が高い。漠然としたイメージではネガティブになるが、少し理解が深まるとポジティブなイメージになる。
疾患者の認知率は92%であった。一般生活者に比べると、薬の連想が少なく、治療の連想が多い。ポジティブ意識が高い連想ワードは、医療の発展に貢献・新薬・新薬開発・動物実験である。ネガティブ意識が高いワードは、人体実験・モルモットなどである。
医療関係者の最も多く連想された言葉は新薬開発・新しい治療法の開発である。連想ワード全体でみると、49%がポジティブ、18%がネガティブな言葉であった。ネガティブ意識が高いワードは、副作用・実験・時間がかかる・煩雑・手間がかかるなどである。
疾患者の認知率は92%であった。一般生活者に比べると、薬の連想が少なく、治療の連想が多い。ポジティブ意識が高い連想ワードは、医療の発展に貢献・新薬・新薬開発・動物実験である。ネガティブ意識が高いワードは、人体実験・モルモットなどである。
医療関係者の最も多く連想された言葉は新薬開発・新しい治療法の開発である。連想ワード全体でみると、49%がポジティブ、18%がネガティブな言葉であった。ネガティブ意識が高いワードは、副作用・実験・時間がかかる・煩雑・手間がかかるなどである。
結論
「臨床試験・臨床研究」について、一般生活者は一般的・基礎的知識を望んでいることが明らかとなった。また、情報提供媒体として望まれているものは、新聞記事などのマスメディアの信頼できる報道であり、また、インターネットのニュースサイトなどが望まれていた。今後の臨床研究に関する啓発活動においては、信頼性の高いマスメディアを通じて、「臨床試験・臨床研究とは何か」という初歩的な情報の提供から行う必要があると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2008-04-21
更新日
-