文献情報
文献番号
200705016A
報告書区分
総括
研究課題名
保健師基礎教育における技術項目と卒業時の到達目標に関する研究
課題番号
H19-特別-指定-016
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
麻原 きよみ(聖路加看護大学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
2,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
保健師教育の技術項目と到達度に関しては、看護基礎教育の充実に関する検討会報告書において暫定版が示されているものの、調査研究に基づいて明確にされた確定版はまだ示されていない。そこで本研究では、保健師と教育者の両者の合意による「保健師基礎教育の技術項目と卒業時の到達度」を明らかにすることを目的とした。
研究方法
現場で活動している保健師と保健師養成機関で教育を行なっている教育者の両方の合意に基づく技術項目と到達度を明確にするため、本研究ではデルファイ法を参考に、3段階で研究を行なった。第1段階では既存文献および資料に基づく研究枠組みの検討と保健師教育の技術項目案の作成、第2段階では1回目の調査を実施し、その結果に基づく保健師教育の技術項目と卒業時の到達度案を作成した。第3段階では、この案をもとに2回目の調査を実施し、その結果に基づき最終的な「保健師教育の技術項目と卒業時の到達度」を作成した。また保健師と教育者からなる専門家会議を設定し、技術項目の枠組みの検討や調査結果の分析、項目や到達度の検討などを行なった。
結果と考察
「地域の健康課題(顕在的、潜在的)を明らかにする」「地域の人々と協働して、特定の健康課題を解決・改善し、健康増進能力を高める」「地域の人々の健康を保障するために、生活と健康に関する社会資源の公平な分配を促進する」という、保健師実践の3局面を大項目に設定し、技術項目の明確化と到達度について、保健師と教育者の認識の差異を縮めるよう検討した。技術項目と到達度は、第1回調査、第2回調査をもとに専門家会議で検討・精練され、最終的には59の技術項目、到達度は4段階のレベルで示された。
結論
保健師活動の本質を示す理念・原則を基盤とした技術項目の枠組みを設定することを試み、保健師および教育者の両者の合意により、3つの大項目で構成される「保健師基礎教育の技術項目と卒業時の到達度」を作成した。この枠組みは保健師の専門性を説明する特徴的な視点と独自の技術を示すものであり、教育においては保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正に伴うカリキュラム作成、実践においては新人教育および現任教育における教育内容、目標設定、評価のための枠組みとして有用であると考えられる。また、今後の保健師教育の見直しに際しての検討材料となると考える。
公開日・更新日
公開日
2008-07-02
更新日
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