文献情報
文献番号
200705014A
報告書区分
総括
研究課題名
医師確保に資する医療機関内の環境改善に関する研究
課題番号
H19-特別-指定-014
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
武林 亨(慶応義塾大学医学部)
研究分担者(所属機関)
- 梶井英治(自治医科大学医学部)
- 種田憲一郎(国立保健医療科学院)
- 山本隆一(東京大学大学院情報学環)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医師確保を図るための基盤として必要と考えられる医療機関の環境について,(1)医師の労働内容に関する他計式調査,(2)病院勤務医および後期研修医(卒後3~4年目)の勤務・研修病院選択理由ならびに将来の希望に関する調査,(3)IT導入に関する評価系開発に関する調査,の3つの観点から研究を行った
研究方法
医師の労働内容に関する調査では,病院16人の医師に対する他計式業務内容調査を実施した。データは医師業務分類コードを用いて分類し、病院・診療科ごとの平均値を算出した。また文献のレビューを行い、こうした調査の方法や結果を比較した。医師のキャリア調査は,病院勤務医は全病院から5%ランダム抽出した432施設に、後期研修医は平成19年度にマッチングに参加した全臨床研修指定病院から25%ランダム抽出した281施設に質問紙を郵送した(疫学研究倫理審査委員会承認).IT導入に関する評価系開発研究は、医療機関へのIT導入に指導的役割を果たした専門家、研究会,関連する病院協会,工業会等にヒアリング調査を実施し、導入の目的,評価指標,導入による予期しない効果などを抽出、一部は実証的に検証した上でヒアリング対象者に回覧し意見を求め評価系案を作成した
結果と考察
医師の労働内容に関する調査では、16人の医師の労働についての記述的な詳細データを取得できた.分析的には,大分類の7項目の比較では病院や診療科に特徴的なパターンはみられなかった。また文献レビューから、日本では他計式調査は報告例がなかった。医師のキャリア調査では,病院のハード面・ソフト面の充実、人のつながり(勧誘、魅力的医師の存在)、地元を重要視していた。後期研修医について、大学からの派遣を除けば、研修施設の決定の主な要素は、研修病院の診療内容(症例が多い、手技が豊富等)、指導体制の充実、地元であり、診療科の選択の主な要因は、学問的興味、研修による興味、やりがい、指導医であった。IT等の情報システムの導入は医師業務を含む業務改善を目的として行われるべきものであるにも関わらず、導入自体が自己目的化し、運用の混乱や業務の増加を来すことさえあることから,このような事態を事前に予測し、導入後も正しく評価することで真の業務改善を来たし、医師確保に資するためにIT導入に関する評価系を開発した。
結論
医師の確保やモチベーションアップに必要な要因や環境整備の要点が明らかとなった.また、IT導入のための評価系が構築された
公開日・更新日
公開日
2015-05-26
更新日
-