文献情報
文献番号
200705013A
報告書区分
総括
研究課題名
診療放射線分野における新たな医療技術等の活用に係る研究
課題番号
H19-特別-指定-013
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
伊東 久夫(千葉大学大学院)
研究分担者(所属機関)
- 油野 民雄(旭川医科大学)
- 辻井 博彦(放射線医学総合研究所重粒子医科学センター)
- 中村 仁信(大阪大学大学院)
- 細野 眞(近畿大学医学部)
- 草間 経二(日本アイソトープ協会)
- 日下部 きよ子(東京女子医科大学)
- 渋谷 均(東京医科歯科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
1,050,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年医療技術の進歩はめざましく、新たな診断機器や治療法が開発され、臨床に導入されている。それらの中には、放射線を使用したものも少なくない。放射線を使用する場合、患者や医療従事者に加えて、第三者を不要な被ばくから防護し、安全を確保する必要がある。本研究は主要な研究課題として、高額機器の有効利用の観点から、SPECT-CTがCTとして単独に使用された場合の問題点を検討した。また、付随する研究としては、Y-90標識イブリツモマブ(ゼヴァリン)の安全な使用法に必要な規制、および、最近普及がめざましい重粒子線治療の安全対策についても検討した。
研究方法
上記課題は新しい医療技術の導入として、すでに厚生労働省科学研究で検討が行われてきた。本研究ではこれらの研究成果を検討し、文献的考察を加味し、不明瞭な点があれば、追加の資料収集すると共に線量測定等を行って、従来の研究成果を再確認して正当性・安全性を確立し、医療としての安全性と一般公衆への安全性を担保することとした。これに基づいて医療安全の立場から、安全対策を担保するための技術的助言を行政に行う。
結果と考察
SPEC-CTの患者とCT単独検査の患者が長時間隣接して座っても、公衆被ばくに対する国際的な拘束線量以下であり、安全であることが確認された。したがって、両検査の施行時間を明確に別け、両検査の患者が長時間隣接して座ることを避ければ、CTとしての単独使用に全く問題がないことが示唆された。また、Y-90はβ線のみを放出するため、薬剤の取り扱いに注意すれば、治療施設からの退出基準や、退出後の日常生活には、特別の規制は不要であることが確認された。重粒子線治療施設の安全確保では、二次的に発生する中性子線等が問題であるが、患者自身への被ばくの問題を除くと、従来のX線に対する防護の範疇で対応できることが確認された。上記の課題に対して、本研究では過去の厚生労働省科学研究で行われてきた研究結果を確認し、現状では追加して検討すべき問題はないと考えられた。
結論
結論 新しい医療技術が導入され、新しい種類の放射線も医療に広く利用されるようになっている。これらを安全に使用するためには、国際的な情報と国内での医療現場の情報が必要である。今回は近未来に広く導入されると思われる医療技術について検討し、すでに行われた安全に対する研究成果を再確認した。
公開日・更新日
公開日
2008-04-09
更新日
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