インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動情報収集に関する研究

文献情報

文献番号
200705002A
報告書区分
総括
研究課題名
インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動情報収集に関する研究
課題番号
H19-特別-指定-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 信彦(国立感染症研究所感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 宮崎千明(福岡市立西部療育センター)
  • 桃井真里子(自治医科大学小児科学)
  • 内山真(日本大学医学部精神神経科)
  • 谷口清州(国立感染症研究所感染症情報センター )
  • 大日康史(国立感染症研究所感染症情報センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
インフルエンザ様疾患罹患時に見られる異常な行動について、実態を把握する。
研究方法
重度の異常な行動に関する調査(重度調査)として、すべての医療機関を調査対象とし、2006/2007シーズンについて後向き調査を行った。重度調査の報告対象は、インフルエンザ様疾患と診断され、かつ、重度の異常な行動を示した患者(飛び降り、急に走り出すなど、制止しなければ生命に影響が及ぶ可能性のある行動)とした。報告方法はインターネット又はFAXとした。分析は全数で単純集計と異常行動報告例の分析を行い、その後突然走り出す・飛び降りのみで単集計と異常行動報告例の分析を行った。
結果と考察
本研究は、重度の異常な行動に関する調査(重度調査)で、2006/2007シーズン(9月30日まで報告)として、2007年12月16日、2007年12月25日に厚生労働省へ報告した。重度データは、2006/200シーズン前など該当外データを除外した137件であった。重度の異常行動は、平均10歳、男性が多く、タミフルの服用は6割であった。10代での異常行動と10歳未満での異常行動との比率は、3月20日の通知前後で有意な差はなかった。異常行動の内容が突然の走り出し・飛び降りのみに限定しても結果は変わらなかった。「異常行動と睡眠の関係」は、タミフル服用と関係はなかった。
結論
通知後は、タミフル処方は相当程度減少したと思われるが、10代での異常行動が有意に減少したとは言えなかった。本調査は後ろ向き調査で行われたので、バイアスが生じている可能性がある。タミフルの処方率が正確にはわからないので、異常行動の発症率の推定、タミフル服用の有無別の比較は難しい。

公開日・更新日

公開日
2009-04-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200705002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
重度の異常行動は、平均10歳、男性が多く、タミフルの服用は6割であった。10代での異常行動と10歳未満での異常行動との比率は、3月20日の通知前後で有意な差はなかった。異常行動の内容が突然の走り出し・飛び降りのみに限定しても結果は変わらなかった。「異常行動と睡眠の関係」は、タミフル服用と関係はなかった。
臨床的観点からの成果
異常行動がタミフルよりもむしろインフルエンザとの関連性が強く示唆されたので、タミフルの服用の有無を問わず、保護者による観察、ケアが重要であることが明らかにされた
ガイドライン等の開発
厚労省安全対策調査会(2007年12月25日)で報告、議論された
その他行政的観点からの成果
厚労省第4回リン酸オセルタミビルの臨床的調査検討のためのワーキンググループ(2007年12月16日)
厚労省第5回リン酸オセルタミビルの臨床的調査検討のためのワーキンググループ(2007年12月25日)で報告、議論された
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
10代へのタミフル処方の是非についての政策判断に貢献した
その他成果(普及・啓発活動)
1件
新聞報道

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-17
更新日
-