文献情報
文献番号
200704007A
報告書区分
総括
研究課題名
主にアジアに蔓延するウイルス性肝疾患の制御に資する為の日米合作的且つ学際的肝炎ウイルス研究
課題番号
H19-国医-指定-007
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
三代 俊治(東芝病院 研究部)
研究分担者(所属機関)
- 溝上 雅史(名古屋市立大学大学院医学研究科臨床分子情報医学分野)
- 小池 和彦(東京大学医学部附属病院)
- 脇田 隆字(国立感染症研究所ウイルス第二部)
- 考藤 達哉(大阪大学大学院医学系研究科樹状細胞制御治療学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 社会保障国際協力推進研究(国際医学協力研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
14,827,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
アジア諸国の肝炎・肝癌の制御。
研究方法
下に個別記載。
結果と考察
1. HCVのウイルス學:培養細胞を用いた研究により、感染感受性規定因子の一つとしてCD81が同定された。
2. HCVの分子疫學:NS2領域をbreak pointとするrecombinant HCV strain, HCV-RF1_2k/1b, が旧ソ連地域に広く分布していることが判明した。
3. HCV感染のウイルス・宿主相關:PPARαの持続的な活性化無しでは肝脂肪化も肝癌も生じないことが明らかになった。
4. HCV感染の免疫:C型慢性肝炎患者MDCではTLR2、TLR4、RIG-Iの発現が亢進しているにも関らず、TLR3、TLR4の刺激によるサイトカイン誘導は低下しており、下流でのシグナル伝達阻害機構の存在が示された。
5. 亜細亜に於けるHBV/HCV/HEV/HIVの疫學:インドネシアのサンギヘ・タラウド諸島で実施した住民検診に於て、HBVとHEVが高度侵淫している実態は他地域と同様であったが、HCVとHIV-1の感染者は皆無であった。數年前にスタートしたHBV vaccinationの効果で、若年者にHBs抗体陽性者が増加しつつあることが歓迎されたが、vaccinationのcoverageは未だ100%に達していない。當地のHBV carrierからはgenotype C5に属するgenomeが採取された。
2. HCVの分子疫學:NS2領域をbreak pointとするrecombinant HCV strain, HCV-RF1_2k/1b, が旧ソ連地域に広く分布していることが判明した。
3. HCV感染のウイルス・宿主相關:PPARαの持続的な活性化無しでは肝脂肪化も肝癌も生じないことが明らかになった。
4. HCV感染の免疫:C型慢性肝炎患者MDCではTLR2、TLR4、RIG-Iの発現が亢進しているにも関らず、TLR3、TLR4の刺激によるサイトカイン誘導は低下しており、下流でのシグナル伝達阻害機構の存在が示された。
5. 亜細亜に於けるHBV/HCV/HEV/HIVの疫學:インドネシアのサンギヘ・タラウド諸島で実施した住民検診に於て、HBVとHEVが高度侵淫している実態は他地域と同様であったが、HCVとHIV-1の感染者は皆無であった。數年前にスタートしたHBV vaccinationの効果で、若年者にHBs抗体陽性者が増加しつつあることが歓迎されたが、vaccinationのcoverageは未だ100%に達していない。當地のHBV carrierからはgenotype C5に属するgenomeが採取された。
結論
本研究は、日米醫學協力研究會の肝炎専門部會の活動の一環として實施された。日米醫學の肝炎部會が、亜細亜に特に蔓延する肝炎ウイルスとしてB型とE型(HBV, HEV)、将來の感染拡大が懸念される肝炎ウイルスとしてはC型(HCV)を主要研究標的として定めたことに呼應し、本研究班の今年度の研究活動も主に此の三種に關するものであった。
公開日・更新日
公開日
2008-06-03
更新日
-