メタボリックシンドロームのアジアと米国における発症機序とその健康対策に関する研究

文献情報

文献番号
200704005A
報告書区分
総括
研究課題名
メタボリックシンドロームのアジアと米国における発症機序とその健康対策に関する研究
課題番号
H19-国医-指定-005
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
川上 正舒(自治医科大学附属大宮医療センター)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 社会保障国際協力推進研究(国際医学協力研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
14,827,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

行政効果報告

文献番号
200704005C

成果

専門的・学術的観点からの成果
メタボリックシンドロームの本態はインスリン抵抗性であるとされているが、実際の病態は人種により異なり、日本人では耐糖能が正常であってもインスリン分泌能が低下すること、研機能障害や高尿酸血症が高頻度にみられるなどの特徴がることを明らかにした。また、アディポネクチンのコレステロール逆転送系を活性化することを明らかにしたこともこの領域の研究に新しい展開をもたらすものである。
臨床的観点からの成果
メタボリックシンドロームは欧米および日本にとどまらず、東南アジア諸国でも大きな問題となりつつある。診断基準はそれぞれの国および人種により個別に定める必要がある。我が国の診断基準については、様々な議論のあるところである。本研究では、現在の診断基準では本症候群の有無で死亡率に差のないことを示し、この議論の材料として需要な情報を加えることとなった。また、本症候群の病態の基礎となるインスリン抵抗性の簡便な指標とし血中LPL値が有用である可能性を示したことも臨床的には非常に重要な成果である。
ガイドライン等の開発
特になし。
その他行政的観点からの成果
メタボリックシンドロームは今年から特定検診の項目に加えられ、我が国の健康・保健行政の重要な課題の1つとされている。しかし、我が国の診断基準については、国際的にも問題とされているところであり、本研究の成果はそのような議論の材料として重要な情報となりうる。また、東南アジア諸国における診断基準を定める上でも参考となる成果であり、国際的な医療協力という面でも有用であると考える。
その他のインパクト
インスリン抵抗性の正しい評価にはインスリンクランプ法が用いられるが、この方法は、極めて侵襲的であり、集団検診は勿論、臨床現場でも実用に供することはできない。そこで、HOMA-IRなど、幾つかの簡便な評価法が提唱されているが、いずれも全ての対象者に応用することができない。本研究の1部はこの問題の解決の1助になりうる成果を示したものと考える。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
95件
その他論文(和文)
20件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
47件
学会発表(国際学会等)
4件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
-