文献情報
文献番号
200702005A
報告書区分
総括
研究課題名
厚生労働統計処理システムについての研究
課題番号
H19-統計-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
藤田 伸輔(千葉大学 医学部付属病院地域医療連携部)
研究分担者(所属機関)
- 木村 通男(浜松医科大学 医学部医療情報部)
- 広井 良典(千葉大学大学院 法経学部)
- 清谷 哲朗(独立行政法人 労働者健康福祉機構)
- 宇田 淳(広島国際大学医療福祉学部)
- 中村 利仁(北海道大学大学院医学研究科)
- 宮本 正喜(兵庫医科大学 医療情報部)
- 佐藤 幹也(帝京大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
2,993,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
厚生労働統計は高齢化社会に対する施策の効果をより迅速に、より正確に判定するために不可欠である。「医療崩壊」が懸念される現在、もっとも統計情報を必要とする地域は医療職の確保難が深刻化している地域である。このため主たる調査対象である医療機関の負担を軽減しながら、むしろより精緻な統計情報を得られるようにすることが必須である。
研究方法
1)個票の電子化に関する研究
統計調査のオントロジーをより精緻化し、電子カルテ(医事コンピュータ)からの抽出可否を検討した。慢性疾患有病率調査にもっとも近い患者調査を本研究では特に重視し、これの電子化についての検討と電子化プログラムの作成について検討した。
2)電子化手法に関する研究
個票の電子化に伴う問題点を理論的に検証する。医事コンピュータのデータからデータ抽出する手法、データ問い合わせをHL7を用いて定型化する手法、サンプリングから全数調査に変更した場合のデータ解析手法について検討した。
統計調査のオントロジーをより精緻化し、電子カルテ(医事コンピュータ)からの抽出可否を検討した。慢性疾患有病率調査にもっとも近い患者調査を本研究では特に重視し、これの電子化についての検討と電子化プログラムの作成について検討した。
2)電子化手法に関する研究
個票の電子化に伴う問題点を理論的に検証する。医事コンピュータのデータからデータ抽出する手法、データ問い合わせをHL7を用いて定型化する手法、サンプリングから全数調査に変更した場合のデータ解析手法について検討した。
結果と考察
【統計調査のオントロジー】
厚生労働省の構成及び厚生労働統計についてオントロジーを作成した。これは電子化における影響範囲、電子化を進める上での進捗管理にも有用である。
【患者調査の電子化】
患者調査、あるいはその他の統計調査を半自動化するためHL7を用いた問い合わせ手法を検討し、その規格について提案した。患者調査の改革については、慢性疾患有病率調査を考慮して複数疾患を扱う手法の開発が必須である。順位付けなしに報告された複数の疾患から治療対象となっている疾患を抽出する手法および医学的あるいは経済的側面から主病名を抽出する手法を検討した。複数傷病名の取り扱いについてはテキストマイニング手法の応用を提案した。手術・処置データおよび処方データと合わせた解析により傷病との関連性を判断可能である。これらのデータを複合解析することによって慢性疾患の有病率調査が可能となるだけではなく、慢性疾患の診療状況を傾向として分析することも可能となる。ただしより詳細な検討を行うためには疾病コード体系(ICD)そのものを設計しなおす必要があり、ICD-11およびICPC-3の改定状況についても報告を加えた。
厚生労働省の構成及び厚生労働統計についてオントロジーを作成した。これは電子化における影響範囲、電子化を進める上での進捗管理にも有用である。
【患者調査の電子化】
患者調査、あるいはその他の統計調査を半自動化するためHL7を用いた問い合わせ手法を検討し、その規格について提案した。患者調査の改革については、慢性疾患有病率調査を考慮して複数疾患を扱う手法の開発が必須である。順位付けなしに報告された複数の疾患から治療対象となっている疾患を抽出する手法および医学的あるいは経済的側面から主病名を抽出する手法を検討した。複数傷病名の取り扱いについてはテキストマイニング手法の応用を提案した。手術・処置データおよび処方データと合わせた解析により傷病との関連性を判断可能である。これらのデータを複合解析することによって慢性疾患の有病率調査が可能となるだけではなく、慢性疾患の診療状況を傾向として分析することも可能となる。ただしより詳細な検討を行うためには疾病コード体系(ICD)そのものを設計しなおす必要があり、ICD-11およびICPC-3の改定状況についても報告を加えた。
結論
厚生労働統計を電子化するにあたっての検討を行い、その手法を確立した。実際の運用にあたっては法的整備も必要であるが、早急に対策を取って計画的に導入することでわが国の医療政策改善に供していただきたい。
公開日・更新日
公開日
2009-03-26
更新日
-