「生活機能」のコード化に関する研究

文献情報

文献番号
200701051A
報告書区分
総括
研究課題名
「生活機能」のコード化に関する研究
課題番号
H19-政策-一般-027
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
上田 敏(財団法人日本障害者リハビリテーション協会)
研究分担者(所属機関)
  • 小野 喜志雄(独立行政法人国際協力機構 人間開発部 )
  • 楠 正(日本薬剤疫学会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
12,408,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究班の最終目標は「生活機能」のコード化を、1)「共通言語」に立った連携のためのツールとして、また2)厚生統計のためのツールとして、ICF(国際生活機能分類)に基づいて明確化することである。その前提として、1)コーディングが正しく行われ、情報が正確に伝えられ、連携の実をあげるための要件の基礎的検討、2)ICFにおいてまだ分類がない個人因子についての基本的な検討の2点を目的とし、あわせて国際的比較、海外情報の収集をおこなった。
研究方法
○生活機能のコード化のための基礎的検討;症例に立った課題分析と理論的考察:入院患者58名を対象、ICFの「活動」・「参加」の全ての中項目の①現状及び②入院の原因疾患の発病前の状況について、担当各職種がコーディングし、評価後評価点が異なる場合は根拠を記載したものをもとに質的分析。
○個人因子についての基本的検討;
1)理論的検討:WHO-FICワーキンググループの諸意見についての検討
2)事例検討:①ICF、ICF-CY、またICIDHからICFへの改定過程でのフィールドトライアル・マニュアルの事例を用いて、生活機能の各レベルに対してどのような個人因子が直接に、あるいは健康状態、環境因子との相互作用(相互干渉)を通じて影響するかを分析。②5年以上の臨床経過観察・記録事例の分析。
○生活機能についての専門家の認識調査;コスタリカ(国家協力プロジェクトとしてリハビリテーション関係にICF導入を計画中)でICFやそれと関連深い問題に関する専門家の知識・認識を調査。
○海外での生活機能に関するデータを調査。
結果と考察
○本研究の最終目的である「連携ツール」又は「厚生統計のツール」としてICFを活用する場合の実践的・現実的な要件および今後解明すべき問題点が明らかになった。
○個人因子の概念についての種々の問題が解明され、定義・分類の確立のための理論的な前提が解明された。その他個人因子の評価点、活用法についても検討した。
○コスタリカでの結果は、全般的な傾向がわが国と一致し、文化的・社会的条件の異なる外国でもほぼ同様な傾向が確認できた。
結論
○ICFを連携ツールとして用いる際の評価法の研修やマニュアル作成において生かすべき貴重な内容が明らかとなった。
○「個人因子の暫定的定義」と「個人因子分類第1次試案」とを作製した。今後WHO-FICネットワークの「個人因子に関するワーキンググループ」に提示し、国際的議論を通じてより完成されたものとすることを目指す。

公開日・更新日

公開日
2008-05-22
更新日
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