医療費の構造分析と適正化に向けた政策的課題に関する研究

文献情報

文献番号
200701049A
報告書区分
総括
研究課題名
医療費の構造分析と適正化に向けた政策的課題に関する研究
課題番号
H19-政策-一般-025
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
福田 敬(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会医療経済研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 亘(東京学芸大学教育学部)
  • 満武 巨裕(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会医療経済研究機構 )
  • 今野 広紀(国際医療福祉大学医療福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
11,408,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本の医療費は年々増加を続けており、今後も増加していくことが予想される。しかし、国および都道府県レベルでの医療費の決定要因は必ずしも明らかではない。本研究では医療費の適正化を考える上で必要な情報である医療費の地域差および増加の要因、またそれらの要因を継続的に検討するための調査枠組み、医療費の適正化の方策として競争原理の導入について検討することを目的とした。
研究方法
本研究は1)国および都道府県レベルでの医療費の決定要因と増加要因を解析するモデルの作成と検証、2)医療費と健康状態・社会経済的特性関連の分析、3)医療費の国際比較に基づく検討、4)医療費適正化のための管理競争の導入の検討、の4つの研究から構成された。
結果と考察
1)医療費の決定要因分析では、時系列データから医療費の構造変化を捉える検討を行い、関連要因として実質国内総生産、高齢化率、病床数、平均在院日数等が挙げられた。今後はモデルに含める要因の拡大や分析手法などを含めさらに検討を要すると考えられる。2)医療費と健康状態の関連の分析では、米国AHRQ(Agency for Healthcare Research and Quality)が実施しているMEPS(Medical Expenditure Panel Survey)調査について情報収集し、日本における同様の調査を企画して、次年度以降パイロットスタディを行うこととし、調査計画を作成した。3)医療費の国際比較に基づく検討では、日本から報告しているOECD Health Dataの課題を整理し、韓国のSHAに準じた保健医療支出推計の方法を調査し、家計調査を活用した推計方法などの知見を得た。4)医療における管理的競争の導入検討では、諸外国の文献等の情報から管理的競争の概念および具体的な政策について調査し、保険者の選択の可能性、リスク構造調整等の要件を整理した。
結論
医療費の適正化に向けて、医療費に関連する要因の分析等の検討を行った。本年度は医療費適正化に向けた具体的な方策には至っていないが、過去の研究や諸外国の状況などを踏まえて、今後必要な研究課題と調査についての整理ができた。次年度以降、調査・分析をすすめ、医療費適正化に向けた方策を検討する。

公開日・更新日

公開日
2008-05-08
更新日
-