文献情報
文献番号
200701036A
報告書区分
総括
研究課題名
医師の需給のあり方に関する研究
課題番号
H19-政策-一般-012
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
財団法人 医療経済研究 社会保険福祉協会(財団法人 医療経済研究・社会保険福祉協会)
研究分担者(所属機関)
- 本田 達郎(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 )
- 開原 成允(国際医療福祉大学大学院)
- 新野 由子(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 )
- 佐野 洋史(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 )
- 石井 加代子(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
9,126,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、特に医師の偏在に対する意識と、それを解消するための有効策を明らかにすることを目的とした。
研究方法
医師の地域偏在や診療科の偏在に焦点をあて、勤務医、研修医に対するアンケート調査、都道府県の病院事業管理者、各診療科の医師等にヒアリング調査を行った。また、従来、大学の医局が果たしていた役割を民間会社が代替できるかという視点から、民間人材紹介事業会社のヒアリング調査も行った。さらに、諸外国の医師の偏在対策に関して、文献検討を行った。加えて、医師とコメディカルにおいての業務分担等に関して諸外国のスキルミックス(多職種が個々の能力、技能を強化し、業務分担によって患者の治療、ケアにあたることを意味している)に関する文献検討を実施した。
結果と考察
アンケート調査の結果、勤務医では「プライマリ・ケアをになう職場」よりも「難しい症例に当たれる職場」の方がいいとした者が過半数であったのに対し、研修医では、「プライマリ・ケアをになう職場」の方がいいとした者が過半数となっていた。また、医師の職場選択における要因の優先度合いを分析した結果、給与以外の非金銭的な要因が医師の職場選択に大きな影響を与えており、とりわけ勤務先の立地場所がへき地でないこと、診療について相談できる同僚医師がいることが、医師にとって重視される要因であることが明らかとなった。加えて、学会や研修会への出席といった医学知識・技術向上の機会が保障されることも、医師にとって重要な要因であることが示された。
これらの結果を踏まえ、①総合的医療を担える医師を養成する実践的プログラムの整備、②代診医派遣等の医師の支援体制の整備、③ワーク・ライフ・バランスに配慮した勤務体制の確立等の政策的インプリケーションが得られた。
また、諸外国の医師偏在対策への対応として、地方出身学生の優先的採用などは、医師本人の意向の尊重や都会志向への歯止めの観点からその有用性に期待できること、スキルミックスなども今後の取り組みへの参考となることが示唆された。
これらの結果を踏まえ、①総合的医療を担える医師を養成する実践的プログラムの整備、②代診医派遣等の医師の支援体制の整備、③ワーク・ライフ・バランスに配慮した勤務体制の確立等の政策的インプリケーションが得られた。
また、諸外国の医師偏在対策への対応として、地方出身学生の優先的採用などは、医師本人の意向の尊重や都会志向への歯止めの観点からその有用性に期待できること、スキルミックスなども今後の取り組みへの参考となることが示唆された。
結論
本研究での知見は、行政施策に資するものである。しかし、調査結果から得られた各診療科、医育機関の取り組みについて考える際には、医療機関や地域の環境に差があることに留意が必要である。
公開日・更新日
公開日
2008-04-23
更新日
-