医療費推計モデルの開発と医療費適正化計画の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200701034A
報告書区分
総括
研究課題名
医療費推計モデルの開発と医療費適正化計画の評価に関する研究
課題番号
H19-政策-一般-010
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 友紀(東邦大学医学部社会医学講座医療政策・経営科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 長谷川 敏彦(日本医科大学 医学部)
  • 松本 邦愛(東邦大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,792,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成18年度医療構造改革においては、都道府県を単位とした保健医療行政が策定された。保険者を都道府県単位で再編し、また各都道府県で医療費の分析と5年ごとの医療費適正化計画を作成することが定められた。さらに都道府県の努力を促すため、都道府県の実績を評価し、診療報酬体系の見直しに反映できるような方策が図られた。本研究では、医療制度改革を円滑に進めるために、①これまでの医療費推計モデルをレビューし、各国と整合をはかり政策評価が可能な医療費推計モデルを開発する、②医療費適正化計画に基づく各都道府県のベンチマークシステムを開発する、③諸外国で検討されている医療の質に基づく診療報酬支払制度についてレビューし、日本に導入する際の課題を明らかにする、ことを目的とする。
研究方法
①文献調査を実施した。②文献調査、3都道府県への聞き取り調査、各都道府県に対するアンケート調査を実施した。③文献調査、米国、韓国での実地調査を実施した。
結果と考察
①医療費の推計モデルの作成:本年度は医療費推計モデルについて文献レビューを実施した。厚生労働省などから公表されている医療費推計モデルは、モデルの前提条件の変化により大きく医療費総額が変化してしまい、政策立案の根拠として適切ではない。各国と整合をはかり政策評価が可能な医療費推計モデルが必要である。
②医療費適正化計画に基づく各都道府県のベンチマーク:各都道府県の医療費適正化計画立案プロセスをサーベイし、計画作成のために必要なデータを特定する。また、そのデータに基づいて実際に都道府県間を比較しベンチマークが可能であるかを検証する。本年度は3都道府県の聞き取り調査に基づき、アンケート調査票を作成し、各都道府県の担当者を対象にアンケート調査を実施した。
③診療報酬支払い制度の検討:諸外国で行われている質に基づく支払い制度(payment for performance)のレビューを行い、医療連携に関する評価を含めた適切な支払い方法の確立を目指す。本年度は、質に基づく支払制度についての文献レビューを実施し、米国において2009年よりメディケアで導入されるVBP(Value based Purchase)について概要を明らかにした。
結論
医療の質についての関心の増大は政策立案プロセスにも影響を及ぼしつつある。国、自治体レベルの双方において、医療費推計モデルの確立、これに必要な情報を明らかにすることは社会的にも重要度の高い研究課題である。

公開日・更新日

公開日
2008-04-11
更新日
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