自営業者と公的年金制度

文献情報

文献番号
200701003A
報告書区分
総括
研究課題名
自営業者と公的年金制度
課題番号
H17-政策-一般-013
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
岩村 正彦(東京大学 大学院法学政治学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 関 ふ佐子(横浜国立大学大学院国際社会科学研究科)
  • 嵩 さやか(東北大学大学院法学研究科)
  • 渡邊 絹子(東海大学法学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
4,829,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、自営業者を対象とする公的年金に関して、比較法的観点も取り入れつつ、公的年金制度の自営業者への適用、給付水準、保険料(率)水準、保険料徴収の方法等についての今後の法制度設計の方向性を模索・検討し、もって公的年金制度の政策・制度設計に関する厚生行政の基礎となる知見を提供することを目的とする。
研究方法
本年度は、(1)研究テーマに関する国内外の文献・資料の収集、(2)既存の研究業績の検索・分析、(3)わが国の制度が抱える問題点の抽出・分析、の作業で前年度までに完了しなかったのを継続して行うとともに、最終的な取りまとめに備えてフランス・アメリカ合衆国・ドイツについて海外での調査を実施した。そして、3か年度にわたる研究活動の成果をもとに、(4)比較法的考察都全体の総括的な分析による課題の析出と今後の方向の提示の作業を実施した。
結果と考察
今回研究対象としたフランス、アメリカ合衆国、スウェーデン等の国々では、自営業者の公的年金制度について、未加入者の問題や保険料不払いの問題はほとんど見られない。わが国の場合は、地方分権改革の中で、適用・保険料徴収事務を市町村から社会保険事務所に移管したことによって、保険料徴収事務が機能不全に陥ってしまった。
結論
上記のような現状を打開するためには、社会保険事務所による一元的な保険料徴収体制を改め、様々な組織や法主体に保険料徴収の役割を担わせる等の多様な手法を考えることが有効である可能性が高い。

公開日・更新日

公開日
2008-05-08
更新日
-

文献情報

文献番号
200701003B
報告書区分
総合
研究課題名
自営業者と公的年金制度
課題番号
H17-政策-一般-013
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
岩村 正彦(東京大学 大学院法学政治学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 関 ふ佐子(横浜国立大学大学院国際社会科学研究科)
  • 嵩 さやか(東北大学大学院法学研究科)
  • 渡邊 絹子(東海大学法学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、自営業者を対象とする公的年金について、比較法的観点も取り入れつつ、公的年 金制度の自営業者への適用、給付水準、保険料(率)水準、保険料徴収の方法等についての今後の法制度設計の方向性を模索・検討することである。
研究方法
研究方法は、主要国(フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、ベルギー、アメリカ合衆国)の公的年金制度全体、および自営業者の公的年金制度について、国内外の文献・資料の収集して検討して、各国の公的年金制度における自営業者の扱いの背景事情、制度概要および特徴や問題点を分析し、その成果とわが国の公的年金制度における自営業者の扱いとの比較するというものである。
結果と考察
フランス・ベルギーは被用者の公的年金制度と自営業者の年金制度とは別立てである。これに対してドイツはほとんどの自営業者が強制加入の対象外である。これらの国々の状況は、同業組合的な色彩の残存という歴史的な理由があること、もともと自営業者は公的年金に関する考え方が被用者とは同じでないこと、保険料徴収の基礎となる所得が異なることに由来するといえる。自営業者と被用者とを同じ制度に加入させるアメリカ合衆国・イタリア・スウェーデンも、自営業者の特性に対応できる加入・保険料納入の仕組みがある。
結論
本研究で行った比較法研究は、わが国の自営業者の公的年金制度のあり方、ひいては第1号被保険者の制度のあり方に様々な示唆を与えるものである。

公開日・更新日

公開日
2008-05-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-11-17
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200701003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
公的年金制度等に関する文献・資料等を収集・分析するともに、いくつかの国で行政担当者・研究者からの聞き取りを行うことによって、フランス等の主要国の自営業者の公的年金制度の上の地位やそれをめぐる諸問題を考察した。こうした作業によって、これまでわが国では必ずしも明らかでなかったドイツ・フランス等の自営業者の公的年金制度上の問題について多くの知見を得ることができ、わが国の問題を考察する上での有益な示唆を得た。
臨床的観点からの成果
研究の性格上、この側面での成果はない。
ガイドライン等の開発
研究の性格上、ガイドライン等の開発についての性格はない。
その他行政的観点からの成果
分担研究者の一人である関ふ佐子が、厚生労働省社会保障審議会年金部会「パート労働者の厚生年金適用に関するワーキンググループ」において、「アメリカの公的年金制度について」と題して、本研究の成果を生かして説明を行っている(平成19年2月2日)。また、主任研究者・岩村正彦が、内閣府に設置された社会保障国民会議第1分科会(所得保障・雇用)に参加している。
その他のインパクト
とくになし。

発表件数

原著論文(和文)
10件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
岩村正彦
基礎年金制度に関する一考察
山口浩一郎先生古稀論集 友愛と法 , 239-263  (2007)
原著論文2
渡邊絹子
ドイツにおける自営業者の年金制度--芸術家社会保険制度を中心にして
週刊社会保障 ,  (2425) , 46-51  (2007)
原著論文3
岩村正彦
社会保障法入門86
自治実務セミナー , 46 (4) , 4-6  (2007)
原著論文4
岩村正彦
社会保障法入門87
自治実務セミナー , 46 (5) , 4-4  (2007)
原著論文5
岩村正彦
社会保障法入門88
自治実務セミナー , 46 (7) , 9-11  (2007)
原著論文6
岩村正彦
社会保障法入門89
自治実務セミナー , 46 (9) , 9-12  (2007)
原著論文7
岩村正彦
社会保障法入門90
自治実務セミナー , 46 (10) , 9-12  (2007)
原著論文8
岩村正彦
社会保障法入門91
自治実務セミナー , 46 (12) , 9-11  (2007)
原著論文9
岩村正彦
社会保障法入門92
自治実務セミナー , 47 (2) , 9-12  (2008)
原著論文10
岩村正彦
社会保障法入門93
自治実務セミナー , 47 (4) , 4-6  (2008)

公開日・更新日

公開日
2014-05-21
更新日
-