卒前教育・卒後臨床研修における公衆衛生医師の専門技能評価と育成手法等に関する調査研究

文献情報

文献番号
200639028A
報告書区分
総括
研究課題名
卒前教育・卒後臨床研修における公衆衛生医師の専門技能評価と育成手法等に関する調査研究
課題番号
H18-健危-一般-005
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
高野 健人(東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 相澤 好治(北里大学・医学部)
  • 佐藤 洋(東北大学・大学院医学系研究科)
  • 岸 玲子(北海道大学・大学院医学研究科)
  • 實成 文彦(香川大学・医学部)
  • 大井田 隆(日本大学・医学部)
  • 三角 順一(大分大学・医学部)
  • 曽根 智史(国立保健医療科学院)
  • 中村 桂子(東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域健康危機管理を担う公衆衛生医師の育成は、医学卒前教育、卒後臨床研修、医師の生涯教育の中で一貫して取り組むものであり、またその専門技能を的確に評価する手法が必要とされている。本研究は、医師の卒前教育・卒後臨床研修、卒後公衆衛生教育における養成機能評価と効果的な手法を調査研究し、実践に必要な能力を備えた公衆衛生医師の養成方策等を明らかにし、公衆衛生医師の確保の方策を提示するものである。
研究方法
(1)全国医科大学・医学部における公衆衛生学・社会医学教育の教育目標と教育手法の現状について調査を行い、卒前教育の内容について分析を行った。パブリックヘルスマインドを育成する教育手法の開発と教育スキルの向上のため、医学生を対象とした社会医学サマーセミナーを実施し教育モデルを検討した。(2)卒後臨床研修における「地域保健」プログラムの評価法を検討した。(3)国内外の公衆衛生医師の教育カリキュラムの調査分析を行った。健康危機管理ならびに公衆衛生行政基盤機能をふまえ、公衆衛生医師人材育成における学習目標について検討した。(4)公衆衛生医師となった医師の医学部卒業後のキャリアパスをふまえ、公衆衛生医師の確保の方策を検討した。調査研究にあたっては、全国機関衛生学公衆衛生学教育協議会の協力を得て実施した。
結果と考察
現行の医学部卒前教育、卒後臨床研修における「地域保健」プログラム、医学部卒後教育における公衆衛生医師教育プログラムを分析した結果、基礎知識に加えて、現場対応能力、調査分析能力、公衆衛生サービスの有効性評価の能力、具体的な方策の提案と実践能力、公衆衛生活動における戦略的リーダシップと協調性、といった、総合的・統合的な能力を育成するプログラムを体系的に用意することが必要であることが明らかになった。将来の公衆衛生医師が公衆衛生の幅広い領域のそれぞれについて一定の高い水準の内容の教育を受けることを可能にするためのひとつの方策として、複数のプログラムの連携などによる効率的なシステムの検討が必要と考えられた。
結論
地域健康危機管理を担う、実践に必要な能力を備えた公衆衛生医師の養成には、医学卒前教育、卒後臨床研修、医師の生涯教育を通じて、総合的・統合的な能力を育成するプログラムを体系的に用意することが必要である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-10
更新日
-