地域の健康危機管理を担う保健所職員等の資質向上に関する研究

文献情報

文献番号
200639027A
報告書区分
総括
研究課題名
地域の健康危機管理を担う保健所職員等の資質向上に関する研究
課題番号
H18-健危-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 元(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 岩崎恵美子(厚生労働省 仙台検疫所)
  • 角野文彦(滋賀県 東近江保健所)
  • 光石忠敬(光石法律特許事務所)
  • 郡山一明(救命救急九州研修所)
  • 内田博文(九州大学 大学院法学研究院)
  • 箱崎幸也(自衛隊中央病院)
  • 田中良明(葛飾区保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は、健康危機管理を担う保健所等の職員の資質向上を目的とした体系的研修教育プログラムを作成する。危機管理の際に問題となる人権に関わる法理の整理・教育、また人権保護システムの検証・構築も合わせて重点課題とする。教育訓練の具体的方法や研修媒体の開発を重視し、成果は自治体・保健所における危機管理訓練・研修、また、健康危機管理保健所長等研修等にも役立てられるものを意図する。
研究方法
 平成18年度は、(1)教育研修教材の開発に先立ち、健康危機管理教育体系開発のための論点整理、健康危機事例、過去の実施訓練に関する主要な情報を、既存の出版物の収集、自治体へのヒアリング等を通じて収集した。試用可能なものについては、逐次実際の演習で使用し、それらのフィードバックを得た。
結果と考察
 平成18年度は、(1)健康危機管理教育体系開発のための論点整理、健康危機事例、過去の実施訓練に関する主要な情報を、国内で収集した。海外の資料については、インターネットを通じた情報及び書籍類の収集にとどめた。また、(2)健康危機管理に関連した人権保護・救済に関与する国内関連法規、また法理と法令解釈についての情報を収集し、論点・運用上の課題の整理に着手した。
 収集した情報を基にして、危機管理対応の訓練教材を作製した。原因の特定・不明および地域の広がりによる危機事例の類型化に基づく行動ガイドライン、離島における食中毒の調査・対策、災害発生時の疫学調査手法等がまとめられた。また、新型インフルエンザ(対策)を主要な題材として、WHO及びタイ国の演習プログラム・米国のICSを取り入れた演習教材(Phase 2-4)、地域の住民組織との協力・コミュニケーションに重点をおいた演習(Phase 3-5)、 感染症パンデミック期を想定した演習(Phase 5-6)のシナリオ・講演教材が作成された。これらは、複数の自治体(県、市)と共に実施した訓練で使用した。
 参加者のフィードバックでは、国・自治体部局間連絡と共に、市民団体・マスコミ・市民とのコミュニケーションの重要性は多くの参加者が認識しているが、その具体的方策については現時点では明確な指針を欠き、今後の大きな課題である、などの意見が得られた。法律グループは、この問題の理論面に関する文献収集、また危機管理部門のヒアリングを実施して論点の整理に着手した。
結論
 今後、上述の準備(研究)を踏まえて、本年度より一部作製、試用している教育訓練教材の開発を本格化して、より一層の改良を図る計画である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-04
更新日
-