建築物衛生における健康危機管理のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200639019A
報告書区分
総括
研究課題名
建築物衛生における健康危機管理のあり方に関する研究
課題番号
H17-健康-一般-019
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
池田 耕一(国立保健医療科学院 建築衛生部)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 信介(東京大学 生産技術研究所)
  • 柳  宇(国立保健医療科学院 建築衛生部)
  • 鍵  直樹(国立保健医療科学院 建築衛生部)
  • 伊藤雅喜(国立保健医療科学院 水道計画室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は多数の人が集まる建築物における予測せぬ健康ハザードのような緊急事態が発生した場合の対策を検討し,健康危機が発生した場合における活用できるマニュアルを作成することを目的としている。
研究方法
今年度は主として以下の研究を行った。
[1] 建築物内における健康影響危険物質の拡散特性の数値解明に関する研究
① 一般的に普及しており汎用性の高いソフトウェアによる,生物化学テロを想定した危険物質の拡散特性解析に対する適応性の検討を行った。
② 生物化学テロを想定した危険物質の拡散特性を,詳細且つ迅速に解析可能な解析コード開発に必要な諸条件の精査と,開発方向性の検討を行った。
[2] 建築物内における生物化学物テロの対策に関する研究
瞬間微生物検知器IMDの適応について,生物粒子と非生物粒子発生に対する応答特性のチャンバー試験および実環境(6病院と1オフィス)下での検証を行った。
結果と考察
気流解析については,CFD解析による応答係数の算出と,応答係数を導入したマクロモデルにより構成されるマクロ・CFD複合モデルを開発した。開発した応答係数法は建物内が定常流れ場を前提としており,時間と共に流れ場が変化する火災性状等のシミュレーションには不適であるが,基本的に空調による建物内の定常流れ場を前提とすることが可能な本研究においてはその適用が可能である。
浮遊微生物瞬間検知器IMDの適応について行った諸環境での検証結果,IMDは数CFU/Lの濃度レベルの浮遊微生物の測定が可能で,なおかつ非生物粒子(ラテックス粒子)を生物粒子としてカウントしないことから,バイオテロ対策のツールとしての可能性が示された。この場合はセンサーを空調用エアフィルタの下流の給気中に設置する必要があることが分かった。
結論
建築物におけるバイオテロ対策の初期段階において,最も重要なポイントはいち早く微生物(病原体など)の発生(放出)を検知し,適正な室内,室間の気流計画を行うことである。今年度の結果から得られた主な結論を以下に示す。
[1]空中微生物濃度をリアルタイムで検知する計測器IMDを用いた諸環境での検証を行い,その適応の可能性と限界が明らかになった。
[2]流れ場の変化が空調のON/OFFのみに起因し,流れ場の定常性が仮定できる本研究においては,CFD解析による応答係数の算出と,応答係数を導入したマクロモデルにより構成されるマクロ・CFD複合モデルを用いた解析コードを開発することの有用性が高いといえる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
-