文献情報
文献番号
200639014A
報告書区分
総括
研究課題名
市町村合併に伴う地域保健事業および自治体事務の影響評価と今後の効率的推進策に関する研究-市町村保健事業(保健師業務)評価指標の開発および同指針の作成-
課題番号
H17-健康-一般-014
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
烏帽子田 彰(国立大学法人広島大学大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 藤本 眞一(神奈川県秦野保健所)
- 生田 惠子(松本短期大学地域看護学領域)
- 今川 晃(同志社大学大学院総合政策科学研究科)
- 梯 正之(国立大学法人広島大学大学院保健学研究科)
- 曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
- 都筑 千景(大阪府立大学看護学部地域看護学)
- 本橋 豊(国立大学法人秋田大学医学部健康増進医学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
市町村合併後の諸課題の克服と市町村保健センターおよび保健師業務等に対する視点を主とし、有事・平時の健康危機管理などを含めた地域づくりのあり方やその円滑な推進方策を示すことを目的とした。
研究方法
平成17年度に実施した聞き取り調査(21特定都道府県中90/111市町村)を基に、自己記入式質問票を作成し、平成18年10月1日時点の1840市区町村を対象に郵送法により調査を実施した。あわせて、市町村保健事業(保健師業務)評価指標の開発、IT技術を用いた地域保健サービス向上・提供を図るシステムの設計と活用に関わる必要条件と阻害要因の検討、市町村合併に伴い期待される保健師の機能に関する演繹的かつ帰納的研究、地域保健に関連する113文献の要約・総括を行った。
結果と考察
合併後の市町村保健センターおよび保健師活動への影響では、旧町村の活動の全体化や保健師の配置の工夫などもあるが、施設や保健師の集約化も多く、むしろ住民との関係が疎となる傾向がある。保健師配置と業務分担について詳細に整理し、対応策と課題を講じることが必要である。また市町村保健活動の指標(群)に関しては、該当する指標を入手できない市町村や指標等を用いた行政評価の実績のない市町村もあることや行政活動だけでなく住民活動への評価指標の必要性が示唆された。様々な種類、方法がある指標(群)開発にはこのような状況を考慮した上で、目的に応じて適切に組み合わせる必要がある。また市町村合併に伴う保健師の機能としては、実態把握機能(地域診断機能)、調整・ネットワーク機能、相談・支援機能、教育・普及啓発機能、評価機能を発揮していたが、システム化、施策化機能までには至っていなかった。あわせて、IT技術を用いた地域保健サービス向上・提供を図るシステムは将来、普及すると予測されるが、従来の情報伝達方法との利点を交差させた活用に関して課題が残ると考えられた。以上の結果を踏まえて地域における健康危機管理については市町村と都道府県等との分担連携の所管範囲を具体的に検討する必要がある。
結論
健康危機管理業務における市町村と都道府県・国との連携・分担等の明確化が必要に応じて提示することや此の法的根拠の整備が必要であること等が示唆された。此ら調査研究の遂行で判明した諸課題については、平成19年度の調査研究において対応策および解決策等を検討し、最終報告として取り組む予定である。
公開日・更新日
公開日
2007-04-11
更新日
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