文献情報
文献番号
200639012A
報告書区分
総括
研究課題名
地域保健分野における規制影響分析の方法論に関する調査研究
課題番号
H17-健康-一般-012
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
大久保 一郎(筑波大学大学院 人間総合科学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 近藤 正英(筑波大学大学院 人間総合科学研究科 )
- 福田 敬(東京大学大学院 薬学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は,我が国の規制改革の文脈のなかで,試行的実施が進んでいる規制影響分析を実施するための方法論を確立することである.この新たな分析という手続きを,厚生労働行政の実務の中でどのように運用していくのかということには,明らかではなく,地域保健分野の規制を中心とした保健医療セクターでの多様な規制に対して規制影響分析をどのようにとりまとめていくのかという方法論を確立することはきわめて重要である.
研究方法
2年計画の2年目として前年度に引き続き、1)諸外国での先行する取り組みにおける規制影響分析の方法論の調査を行ない,新たに,2)わが国の厚生労働省での規制影響分析の試行的実施に関する取り組みの分析,3)他省庁の取り組みの調査,4)規制影響分析の研究的試行としての事例研究を行ない、計4つの課題に取り組んだ.これらの結果をふまえて,できるだけ実務で使用しやすい簡便な手引き書を策定することを目指した.
結果と考察
1)諸外国での先行する取り組みにおける規制影響分析の方法論の調査では,保健医療セクターに特化した方法論,ガイドライン,ガイダンス,マニュアル等は特になく,他分野と共通した政府全体で使われている指針にしたがって分析が行われていた.2)わが国の厚生労働省での規制影響分析の試行的実施に関する取り組みの分析では,おおむね試行的実施の実施要領にしたがった分析が行われていた.3)他省庁の取り組みでは,特定の分野での方法論がまとめられている事例はまれであった.4)われわれの規制影響分析の事例検討では,定量的な分析の方法論の必要性が示唆された.このようにそれぞれの調査からは新しい知見が得られたが,一方で,簡便な手引書をまとめるためには,政府全体での実施方法の指針の確立が,前提条件であることが明らかになった.しかし,政策動向としては規制影響分析の義務化が予定より半年遅れており,総務省と内閣府によるガイドラインの検討は終わっておらず,研究終了時点でこの条件が整わなくなった.
結論
したがって,研究期間終了時における本研究の最大限のまとめとして,2年間で得られた知見を,来る10月の義務化への準備に役立つような形で簡潔に集約してまとめ,冊子など媒体とし,厚生労働行政へのフィードバックとした.
公開日・更新日
公開日
2007-04-09
更新日
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