公衆衛生医師等の専門的能力の構築とその向上に資する教育研修プログラムの開発に関する研究

文献情報

文献番号
200639011A
報告書区分
総括
研究課題名
公衆衛生医師等の専門的能力の構築とその向上に資する教育研修プログラムの開発に関する研究
課題番号
H17-健康-一般-011
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
研究分担者(所属機関)
  • 水嶋 春朔(国立保健医療科学院人材育成部)
  • 武村 真治(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国及び諸外国における公衆衛生医師養成の実態を調査し、公衆衛生・地域保健の推進に必要な公衆衛生医師等の専門的能力の構造を明らかにし、その資質向上方策のあり方を検討する。
研究方法
「公衆衛生医師等の専門的能力の構造分析」として、公衆衛生医師等のコンピテンシーを抽出するために、デルファイ法を用いた郵送調査を実施した。また「諸外国の公衆衛生専門医制度の実態調査」として、アメリカ、オーストラリア、韓国の公衆衛生医養成制度の実態(教育課程、試験内容、資格認定、任用等)に関する文献調査を実施した。
結果と考察
 わが国においては、公務員としてのコンピテンシーモデルを基礎に、WHOのモデルに準じたコア、マネジメント、リーダーシップの3領域において、関係者の共同作業による公衆衛生専門職コンピテンシー項目の開発が期待される。
 アメリカでは国レベルでコンピテンシーの開発・作成・普及を実施している。それに基づく教育研修プログラムが、政府、州、大学、民間団体等によって実施されており、ほとんどはオンライン上のe-learningである。また全国レベルの教育研修データベースであるTRAINが運用され、教育研修への参加を支援・促進している。
 オーストラリアでは、Australasian Faculty of Public Health Medicineによって、公衆衛生医の教育研修プログラムが運営されている。これはイギリスのシステム(コンピテンシーに基づくプログラム、研修生自身による学習計画と主体的取組み、OJT中心の研修、試験による客観的評価、指導者による個別指導など)に類似している。
 韓国では、公衆衛生専門家は「地方公務員」として、公務員制度の枠組みの中で、職種や階級ごとに指定された教育課程を受講している。Korea Human Resource Development Institute for Health and Welfareで提供される教育課程は、各種事業・業務の実務担当者の実践的な能力・資質の向上を目的として短期間(主に5日間)で実施されている。
結論
アメリカ、オーストラリア、韓国では、公衆衛生専門医(専門家)に関する国レベルの公的な制度やシステムは存在しないが、その特徴的な取り組みはわが国にも適用可能であることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2007-04-04
更新日
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