地域における新たな普及啓発方法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200639002A
報告書区分
総括
研究課題名
地域における新たな普及啓発方法の開発に関する研究
課題番号
H16-健康-一般-040
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
浮田 徹嗣(横浜市立大学国際総合科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 丹後 俊郎(国立保健医療科学院技術評価部)
  • 遠藤 隆也(NTT-AT IPシェアリング株式会社 スキルシェアセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,205,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は大規模な感染症の流行に代表される健康危機に対して一般国民がどのような意識を持っていろのかを調査し、どのような対応が求められているのかを調査するために行ったものである。地域社会における情報の発信、流通、認識、再発信等の情報交換がいかに実施されているかについてのアンケート調査等を実施し、人間工学、公衆衛生学、疫学、行動心理学的な面から分析を行い、ここのネットワーク人員構成、通信方法等による特性を分析することにより、健康危機管理をふまえたソーシャルネットワーク的な研究を推進し、情報の伝達普及に向けた国民が要望する健康危機管理の理念と安全性の確保を検討することが目的である。
研究方法
まず、公募型インターネットアンケートパネル登録者を対象にアンケート調査を行った。平成16年度の調査対象者に、再度、調査への回答を依頼した。調査項目は、BSEやSARSなどの感染症について知っているかどうかといつ発生・流行したかなどについての問いである。この回答を2年前と比較検討した。さらに、コンピュータのスイッチを入れると健康危機に関する情報が得られるブログを実験的に作成し、このブログについて使い勝手や要望のアンケート調査を行った。
結果と考察
感染症に関する知識についてのアンケート調査では、その感染症を知っているが、詳しい情報は知らず、詳しいことを知りたいと思いながら、自分から確認のための行動を起こさない者が多数であることがわかった。また、全体的に実際よりも古い過去の出来事だと案じている傾向があった。
実験的なブログに対しては、便利さを感じる者が3割を占める一方で、情報量が足りないといった指摘が3割の者からなされた。ワンストップで健康危機情報にアクセスできる方法をさらに検討することが重要である。
結論
今回の実験的ブログは、プロトタイプ的になってしまったが、このブログの利用者の要望をさらに分析し、新たな普及啓発方法の開発に資する手がかりを得ることができる。

公開日・更新日

公開日
2007-04-06
更新日
-

文献情報

文献番号
200639002B
報告書区分
総合
研究課題名
地域における新たな普及啓発方法の開発に関する研究
課題番号
H16-健康-一般-040
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
浮田 徹嗣(横浜市立大学国際総合科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 丹後 俊郎(国立保健医療科学院技術評価部)
  • 遠藤 隆也(NTT-AT IPシェアリング株式会社 スキルシェアセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、感染症への対応が世界的な課題となっている。また、感染症ばかりではなく様々な健康危機についての情報をどのように伝えるかも重要な課題となっている。そこで、健康危機に関する情報を伝えるための新たな方法を検討することを目的に調査を行い、健康危機について国民がどのような意識を持ちどのような情報を求めているのか検討した。
研究方法
まず、16年度は、BSEやSRASなどの健康危機情報についての知識や、その情報源、およびその情報を得た後の行動について調査を行った。この結果をふまえて、17年度は、Webが生み出す関係構造と社会ネットワーク、地域ポータルサイト、緊急情報の情報アーキテクチャの現状についての情報収集と分析を行った。さらに、18年度は、16年度の調査対象者に再度、同様の調査への回答を依頼し、時間の経過とともに、情報がどのように変容するかを分析した。その上で、ワンストップで健康危機情報を得られるブログの利用と使い勝手についての回答を依頼し、アンケート調査を行った。
結果と考察
16年度の調査から、健康危機に関する情報源が主にテレビであることが示されたが、その情報が十分でないと感じている者が大多数であり、自分から正確な情報を確認しようとする者は少なく、口頭で誰かに情報を伝える者が多く、情報が歪曲されやすいことが示された。また、17年度の調査では、現状のWebの問題点が明らかになり、ワンストップで健康危機情報を得られるシステム構築の必要性が示された。18年度に行った16年度と同様の調査では、2年間でそれほど大きく、健康危機情報についての知識が変化しているわけではないが、時間の経過とともに変化があることが示された。18年度の、実験的なブログについての調査では、便利さを指摘する回答と、情報量の少なさを指摘する回答が、それぞれ3割を占めた。
結論
今回の研究は、公募型インターネットアンケートパネル登録者が対象であり、調査対象者が一般の人々を代表しているとはいえないが、高い意識を持っていそうな者について、上記の結果が見られたことは重要である。健康危機情報についての伝え方について、インターネットのシステム構築を検討する必要があるだろうし、その際には、今回の知見をさらに分析することが重要である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-06
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200639002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
従来社会心理学などの分野で情報の伝達や伝達過程での変容、時間の経過に伴う変容について研究されてきたが、実験室的状況ではなく、一般市民を対象にこれらの点について検証できたことは、学術的観点から見て意義があるものと考えられる。
臨床的観点からの成果
臨床公衆衛生学の観点からは、大規模な感染症を拡大を防ぐことは、重要な課題である。今回の研究では、そのための決定的な方法論を見いだすまでには至らなかった。とはいえ、健康危機情報をワンストップで入手できるシステムを構築することにより、感染症の発生や、感染経路、特徴的な症状、早期発見のポイントとさらなる感染を防ぐ対応法などの情報にアクセスしやすくするための手がかりが得られたことは成果といえる。
ガイドライン等の開発
具体的なガイドラインの開発にまでは至らなかった。ただ、ガイドライン開発のために検討すべき事項を考察した。ガイドライン開発のためには「誰が」「誰に」「何のために」「いつ(いつまでに)」「どこで」「どのようなコンテキストで」「どのようにして」「結果についてどのようになることを目的に」情報を伝えるかを検討しておく必要がある。
その他行政的観点からの成果
今回は、健康危機情報に関する実験的なブログを作成し、利用者に使い勝手や要望に関するアンケート調査をするにとどまった。そのため、まだ、行政施策に反映されるまでの成果は得られなかった。しかし、このアンケート調査の結果をさらに分析し、使い勝手のよいブログの作成に資することが、行政的観点からの成果につながるといえるだろう。
その他のインパクト
特にマスコミに取り上げることはなかった。上記のように、今回の研究は、行政的観点からの成果といえるものではなかったためであろう。ただ、今回の研究が、健康危機情報に関する新たな普及啓発方法の開発につながる手がかりを提供していることから、ある程度インパクトをもたらす研究であるといえると考えられる。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
宮崎 元伸
The rrliablity of organizations that issue health crisis infomation and methods by which the general citizenry conveys infomation
Medical Bulletin of Fukuoka University 2006  (2006)

公開日・更新日

公開日
2015-11-24
更新日
-