家庭用化学製品のリスク管理におけるヒトデータの利用に関する研究

文献情報

文献番号
200638026A
報告書区分
総括
研究課題名
家庭用化学製品のリスク管理におけるヒトデータの利用に関する研究
課題番号
H18-化学-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
吉岡 敏治(財団法人日本中毒情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 遠藤 容子(財団法人日本中毒情報センター)
  • 大橋 教良(財団法人日本中毒情報センター)
  • 嶋津 岳士(大阪大学大学院医学系研究科 救急医学)
  • 黒木 由美子(財団法人日本中毒情報センター)
  • 奥村 徹(佐賀大学医学部 危機管理医学講座)
  • 白川 洋一(愛媛大学医学部 救急医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
家庭用化学製品を中心とする化学製品のリスク評価とリスク管理の基盤となる情報を提示することを目的とする。
研究方法
家庭用化学製品に起因する中毒事故の発生頻度と発生要因を検討するために、急性中毒事故の発生に関する実態調査を、日本中毒情報センター(JPIC)受信事例251,899件をはじめ、大阪府と茨城県の医療機関(3,242施設、調査期間:平成19年2月の2週間)、茨城県内の高齢者施設166施設・保育所263施設、家庭用化学製品等の事業者174社を対象に実施した。また、健康被害の危険度を検討するために、調査A『家庭用化学製品による急性中毒に関する全症例調査』、調査B『予後評価の必要な物質による急性中毒に関する重症例調査』の具体的な研究方法の確定と研究組織の構築をおこなった。
結果と考察
中毒事故の発生実態調査により、発生予防策を優先的に講じるべき事故は小児および高齢者の経口摂取事故、成人層の経口摂取事故と吸入事故であることが判明し、それぞれについて発生要因を解析すべき、家庭用化学製品30品目を明らかにした。事故防止マニュアルを有していたのは、高齢者施設は38.0%、保育所は33.1%と少なかった。家庭用化学製品等の事業者では7割以上が自社製品のJPIC受信状況詳細報告を、6割以上が翌営業日の報告を必要としていた。
調査Aでは重点情報収集製品群22製品群を選定し、うち7製品群についてファクトシートを作成した。また6製品群について製品としての危険度を検討し、医療機関受診推奨度を判定するためのトリアージアルゴリズムを作成した。調査Bでは対象12物質(群)を選定し、各物質について収集する臨床情報、血中濃度測定のタイミング等の決定、分析協力機関の選定を行った。また物質別のファクトシートと倫理審査委員会審査用資料を作成した。平成19年3月までに研究協力施設として212施設を登録し、症例収集を開始した。
結論
事故発生防止策を優先して講じるべき急性中毒事故の患者年齢層、経路、中毒起因物質が家庭用化学製品を中心に明らかになった。今後、当該事例の集積データを患者年(月)齢、発生時期や発生時間帯、発生場所等の発生状況を解析することにより、具体的な啓発内容を明らかにすることができる。事故発生予防策の提示は今後の研究課題であるが、事故発生時の対応マニュアルについては、6製品群に関してトリアージアルゴリズムとして作成した。

公開日・更新日

公開日
2007-04-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-01-23
更新日
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