化学物質の標的としての膜機能タンパク質発現系を利用したリスク評価法に関する研究

文献情報

文献番号
200638010A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質の標的としての膜機能タンパク質発現系を利用したリスク評価法に関する研究
課題番号
H17-化学-一般-006
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
大和田 智彦(東京大学大学院 薬学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 中澤 憲一(国立医薬品食品衛生研究所 薬理部)
  • 赤羽 悟美(東邦大学医学部薬理学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
21,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
膜タンパク質は化学物質の最初の作用点である。化学物質の膜タンパク質の機能に対するリスク評価系の開発を目的として,ヒトおよびラット等においてユビキタスに発現している代表的な複数の膜タンパク質への作用の比較を行う。汎用される化学物質の基本化学構造単位を組み合わせた潜在的なリスク化合物ライブラリーを合成・構築し,確立した評価系を用いて評価を行い,化合物と膜タンパク質の相互作用モデルをin silicoで作成し,数多くの化学物質のリスクをシステマティクに予測する方法について展望する。
(目的1)汎用される化学物質が持つ基本化学構造単位を組み合わせた潜在的なリスク化合物ライブラリーの合成と構築
(目的2)化学物質の膜タンパク質の機能に対するリスク評価系の開発
(目的3)化学物質の膜タンパク質への作用点や作用メカニズムの解明および化学物質の構造特性の解明
研究方法
汎用される化学物質の基本化学構造単位を組み合わせた潜在的なリスク化合物ライブラリーの合成・構築を構築した。ライブラリーの基本構造としてジアリールエチレン構造に着目した。化学物質の膜タンパク質の機能に対するリスク評価系としてアフリカツメガエル卵母細胞を用いた評価系と哺乳類細胞発現系を用いた評価系を確立した。
結果と考察
ライブラリーの基本構造としてジアリールエチレン構造ライブラリーの非ステロイド作用として,膜タンパク質である電位依存性あるいはリガンド依存性イオンチャネルに対する作用を調査した。アフリカツメガエル卵母細胞を用いた評価系をアンチエストロゲンであるタモキシフェンおよび合成したジアリールエチレンライブラリー化合物のイオン・チャネル型受容体に対する作用を検討し,評価系としての有用性を確認した。 また,哺乳類細胞発現系を用いた評価系ではこれらのライブラー化合物において電位依存性K+チャネルファミリーの中でもサブタイプ特異的に作用を示すことが明らかとなった。
結論
ライブラリーの基本構造としてジアリールエチレン構造に着目し,その組み合わせ構造をもつ化合物ライブラリーを構築した。本ライブラリーの非ステロイド作用として,膜タンパク質である電位依存性あるいはリガンド依存性イオンチャネルに対する作用を有することがわかりnMオーダーで活性が有する化合物があることが分かった。

公開日・更新日

公開日
2007-04-04
更新日
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