化学物質の評価におけるカテゴリー・アプローチの高度化に関する研究

文献情報

文献番号
200638008A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質の評価におけるカテゴリー・アプローチの高度化に関する研究
課題番号
H17-化学-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
林 真(国立医薬品食品衛生研究所変異遺伝部)
研究分担者(所属機関)
  • 江馬 眞(国立医薬品食品衛生研究所 総合評価研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
35,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本において年間10万種以上の化学物質が生産されており、そのうち、安全性が分かっている化学物質は非常に少ない。これらの化学物質について安全情報を得るためには毒性試験を実施しなければならないが、全ての物質について試験をするのには多大な時間と予算を必要とする。そこで類似した化学物質を一つのグループに分類し、現在得られている毒性情報からグル-プ全体の毒性学的特徴を推測する手法が検討されている。この手法を応用することで多くの化学物質が一括して評価することが出来る。本研究はこの手法の開発を目的とする。
研究方法
カテゴリーを組む際には、特定の化学物質に近縁の物質を幅広く選び出す必要があり、そのためにデータベース(DB)が必要となる。本年度は、このDBにデータを入力すると共に、OECDのガイダンスを参考に、日本チャレンジプログラム物質の4物質についてカテゴリーアプローチを実施した。また、フェノール骨格を持った構造異性体でのカテゴリーアプローチを行う場合の条件を検討した。
結果と考察
日本チャレンジプログラムにリストアップされている物質のうちスポンサー登録がなされていない4物質を選択し、その構造異性体でのカテゴリー評価の妥当性について検証を行った結果、tert-ブチルフェノール、α-ジクロロトルエン、クロロベンジルクロリド、クロロアニリンについては、一部の追加試験を実施し、データギャップ補完することでカテゴリーアプローチは可能と考えられた。また、フェノール骨格を持った構造異性体の内、アミノフェノール、エチルフェノール、モノクロロフェノール、sec-ブチルフェノール、tert-ブチルフェノールの異性体のヒト健康影響についてカテゴリーアプローチを行う場合の条件として、1つの異性体だけのデータで残りの異性体についてread-acrossを行うことが可能か否かについて検討をした結果、3つの異性体の内2つの試験を実施することが望ましいことが判明した。
結論
日本チャレンジプログラムにリストアップされている4物質について、その構造異性体とのカテゴリーアプローチを試みた結果、一部の試験をすることでカテゴリーアプローチは可能と考えられた。また、フェノールの構造異性体間のカテゴリーアプローチでは、することでカテゴリーアプローチは可能と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-06
更新日
-