文献情報
文献番号
200637069A
報告書区分
総括
研究課題名
治療薬としてのヒトモノクローン抗体製剤化に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H18-医薬-一般-024
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
黒澤 良和(藤田保健衛生大学 総合医科学研究所免疫学部門)
研究分担者(所属機関)
- 奥野良信(大阪府立公衆衛生研究所)
- 白木公康(富山大学医学部)
- 浅野喜造(藤田保健衛生大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
10,241,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本プロジェクトは、感染症を中心とした各種疾患に対して治療に役立つヒトモノクローン抗体開発を目的とする厚生労働科学研究補助金事業として実施されている。具体的には、インフルエンザウィルス、VZV、サイトメガロウィルスを対象として、治療薬としてのヒトモノクローン抗体製剤化を具体的に目指し、それに伴う解決すべき問題点を明確化し、解決方法を見出すことを目標としている。
研究方法
3名の小児科医の協力を得て、3L血液に相当するBリンパ球を成分採血により取得し、その中に含まれるH3N2型ウィルスに対する中和抗体レパートリーの全体像を解析した。そのためにファージディスプレー系を用いて巨大な抗体ライブラリーを作製した。更に抗原としては1968年から現在に至る12種類のワクチン株を用いた。VZVについてはL鎖シャフリングを行った。サイトメガロウィルスについてはgBタンパクを抗原とした。
結果と考察
インフルエンザウィルスに対して一人の体内には数百種類を越える抗H3抗体が含まれることが判明し、それぞれの抗体は様々な株特異性を示した。その中の一クローンは、1968年から現在に至る全ての株を中和した。このことはH3型全てに共通の中和エピトープが存在すること、及びこのエピトープに対する抗体が人体内で産生し得ることを示した。VZVに対して、L鎖シャフルにより結合力の高まったクローンが得られた。サイトメガロウィルスについては、強いgB結合力を示すクローンを10種類ほど単離した。
結論
H3型インフルエンザウィルス全てを中和できるこの抗体及びこの抗体が認識するエピトープは、インフルエンザ治療薬の対象となり得る。VZVウィルスに対しては、治療薬もしくは予防薬として十分な中和力を示すモノクローン抗体を3種類得た。サイトメガロウィルスに対する抗gB抗体は、大きく3ヶ所の異なるエピトープに結合するクローンに分類できた
公開日・更新日
公開日
2007-04-09
更新日
-