文献情報
文献番号
200637047A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床事例を活用した実践的薬学教育研修システムの確立とその評価
研究課題名(英字)
-
課題番号
H17-医薬-一般-079
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 康文(東京大学大学院情報学環 薬学系研究科兼任)
研究分担者(所属機関)
- 大谷 壽一(東京大学大学院薬学系研究科)
- 堀 里子(東京大学大学院薬学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
薬物治療の最適化などにおける薬剤師へのリスクマネージャーとしての期待は大きい。薬剤師養成課程の6年制移行に伴い、卒前教育と卒後教育の充実が危急の課題となっている。そこでは、ヒヤリ・ハット事例をはじめとする臨床事例を学ぶことは非常に有効であるが、教育的見地から臨床事例を収集し、解析し、提供するシステムはほとんど確立していない。そこで本研究では、研究者らが構築してきた「薬剤師間情報交換・研修システム」を基盤として、ナマの事例(教育的事例素材)の効果的な収集、その評価・体系化・加工、ならびに教育用事例を用いた薬学教育、薬剤師研修のための方法論を確立するとともに、その方法論を実行・評価することを目的とする。
研究方法
本年度は、教育的事例素材の継続的収集、整理解析・評価・加工を行うとともに、これをを活用した、臨床薬学的スキルの教育を提供した。その提供媒体として、インターネットサイト、電子メール、雑誌、書籍、セミナー、研究会などを用いた。また、教育的事例を医師・歯科医師などの他の医療職種に対して提供するためのシステムの確立を目指した。さらに、新たなメディアを用いた教育システムの feasibility study を行った。これらの基盤を提供するサーバシステムの更新を行った。
結果と考察
登録薬剤師数を 8,000 名以上にまで増やすことができ、インターネットをはじめとするさまざまな媒体から教育的事例の素材を多数収集できた。これらから、約 100 事例を詳細に解析し、メールマガジン+WEBサイト、セミナー、研究会などで広く薬剤師に提供できた。さらに、さまざまな雑誌等にも継続的に事例を提供できた。一方、医師・歯科医師に対しても、メールマガジンと WEB サイトを活用して臨床事例を提供するシステムを構築し、これを運用することで年間 52 例の事例を提供できた。サーバシステムの更新により上述のシステムを円滑かつ効率的に運用できるようになった。
結論
教育的臨床事例を作出するシステムを確立し安定的に運用することが出来た。また、作出されたコンテンツを多様な媒体を用いて提供するとともに、医師・歯科医師に対しても提供することができた。本システムは、薬剤師をはじめとする医療従事者の資質向上に極めて効果的な教育システムであると考えられた。
公開日・更新日
公開日
2007-11-02
更新日
-